波多野睦美&つのだたかし
Alfonsina y el Mar
アルフォンシーナと海
作詞:Félix Luna (1925 - 2009)
フェリックス・ルナ
作曲:Ariel Ramirez ( 1921 - 2010 )
アリエル・ラミレス
01、Alfonsina y el Mar
アルフォンシーナと海
作曲:Astor Piazzolla (1921-1992)
アストル・ピアソラ
02、La Muerte del angel
天使の死
作詞:David McNeil (1946 - )
デイヴィッド・マクニール
作曲:Astor Piazzolla (1921-1992)
アストル・ピアソラ
03、Oblivion
オブリヴィオン -忘 却-
作詞:Fernan Silva Valdes (1887-1975)
フェルナン・シルバ・バルデス
作曲:Alberto Ginastera (1916-1983)
アルベルト・ヒナステラ
04、Canción al arbol del olvido
忘れる木
作詞:Francisco Silva
フランシスコ・シルバ
作曲:Carlos Guastavino(1912 - 2000)
カルロス・グアスタビーノ
05、La Rosa y el Sauce
ばらと柳
作曲:Heitor Villa-Lobos(1887-1959)
エイトル・ヴィラ=ロボス
06、Preludo
プレリュード
作詞 : Dora Vasconcelos (1910–1973)
ドーラ・ヴァスコンセロス
作曲:Heitor Villa-Lobos(1887-1959)
エイトル・ヴィラ=ロボス
07、Melodia Sentimental
メロディア・センティメンタル
作詞 : Michel Dimitri Calvocoressi (1877-1944)
ミシェル・ディミトリー・カルヴォコレッシ
作曲:Maurice Ravel (1875-1937)
モーリス・ラヴェル
08、Là‑bas, vers l'église
向こうの教会へ
作曲:Francis Poulenc (1899-1963)
フランシス・プーランク
09、Sarabande
サラバンド
作詞 : Jean Anouilh (1910-1987)
ジャン・アヌイ
作曲:Francis Poulenc (1899-1963)
フランシス・プーランク
10、Les Chemins de l'amour
愛の小径
作詞:Paul-Marie Verlaine (1844-1896)
ポール・ヴェルレーヌ
訳詞:Mabel Dearmer(1872-1915)
メイベル・ディアマー
作曲:Ralph Vaughan Williams(1872-1958)
レイフ・ヴォーン・ウィリアムズ
11、The Sky above the Roof
屋根の上の空
作詞:Traditional
伝承
作曲:Ralph Vaughan Williams(1872-1958)
レイフ・ヴォーン・ウィリアムズ
12、Searching for Lambs
仔羊をさがして
作詞 : William Barnes (1801-1886)
ウィリアム・バーンズ
作曲: Ralph Vaughan Williams(1872-1958)
レイフ・ヴォーン・ウィリアムズ
13、Linden Lea
リンデン・リー
作詞、作曲: 武満徹(1930 - 1996)
14、小さな空
作詞 : 谷川 俊太郎(1931- )
作曲: 武満徹(1930 - 1996)
15、三月のうた
演奏
波多野睦美(歌)
つのだたかし(リュート、ギター)
演奏時間
49:26
録音
秩父ミューズパーク音楽堂(埼玉)
2002年4月30-5月2日/7月30-8月1日
ワーナーミュージック・ジャパン WPCS-11475
2003年01月22日
深い海へと身を沈め苦悩の人生を終わらせたアルゼンチンの女性詩人アルフォンシーナ・ストルニ(Alfonsina Storni 、1892 – 1938) を歌った、『Alfonsina y el Mar アルフォンシーナと海』から始まる、場所と時間を越え集められた哀愁と郷愁に満ちた歌曲集。
リュート奏者、つのだたかし氏とメッゾ・ソプラノ歌手、波多野睦美氏が、静かに優しく語りかけ、心の琴線に触れる音楽を紡ぐ。
" パリ、ロンドン、ブエノスアイレス、東京。静かなため息の歌が流れる"
CD帯コピーに、このように書かれているけれど、収められた作品が違和感なく調和しているのが面白い。20世紀に生まれた叙情的な歌の、ジャンルを越えた美しい音楽集となっている。
静かで悲しげな歌が多く、" なかなか甘美な雰囲気を醸しだしていて良いな " などと聴いているうちに思えてくる。けっして憂鬱にも退屈にもならないのは、つのだたかし氏と波多野睦美氏が、聴き手の心を包み込み、優しく紡ぐ音楽の力だろうか。
『アルフォンシーナと海』なんかは、本当に悲しい歌なんだけれど、どこか未来への希望を感じさるような気もする。本当に、歌の通り、アルフォンシーナ・ストルニは故郷の海へ帰り、新たな詩を探しに行っただけかもなんて思わせる。牧歌的な感覚が満ちてゆく。
収録曲はどれもお気に入り。なかでも、武満徹氏が作詞作曲した、憧憬と郷愁溢れる『小さな空』での波多野睦美氏の自然で美しい歌唱が素晴らしい。その深く透き通る歌声にすっかり心を奪われてしまう。
波多野睦美
つのだたかし