2016年1月1日金曜日

Nuria Rial 『J.S.Bach: Arias』

Nuria Rial 
ヌリア・リアル
J.S.Bach: Arias
バッハ・アリア集
Chronik Der Anna Magdalena Bach
アンナ・マグダレーナ・バッハの年代記



Johann Sebastian Bach (1685-1750)
ヨハン・ゼバスティアン・バッハ


Was mir behagt  BWV 208
『狩りのカンタータ』
01、Schafe können sicher weiden(Arie)
   羊は安からに草を食み

Johann Philipp Krieger(1649 - 1725)((原曲))
 ヨハン・フィリップ・クリーガー
Die ausgesöhnte Eifersucht oder Cephalus und Procris:
 『 ケパロスとプロクリス』
02、Einsamkeit, du Qual des Hertzen(Arie)
      孤独

Durchlaucht'ster Leopold  BWV 173a
『いとも尊きレーオポルト閣下よ』
  アンハルト=ケーテン候レオポルト王子の誕生日祝賀の為の音楽
03、Güldner Sonnen frohe Stunden(Arie)
  黄金の太陽に照らされる幸せな時
                     
Jauchzet Gott in allen Landen  BWV 51
 カンタータ『もろびとよ歓呼して神を迎えよ』
04、Jauchzet Gott in allen Landen(Arie)
   もろびとよ歓呼して神を迎えよ

Violin Concerto in G Minor  BWV 1056
『ヴァイオリン協奏曲ト短調』
05、I. Ohne Satzbezeichnung  
06、II. Largo  
07、III. Presto  

Klagt, Kinder, klagt es aller Welt :Köthener Trauermusik  BWV 244a
 子らよ嘆け  :『葬送音楽』
 アンハルト=ケーテン候レオポルト王子の為の追悼音楽  
08、XI. Jedoch der schwache Mensch(Rezitativ)
09、XII. Mit Freuden sei die Welt verlassen(Arie)
10、XXI. Und du betrübtes Fürstenhaus(Rezitativ)
11、XXII. Hemme dein gequältes Kränken(Arie)

Concerto in C minor, for violin and oboe BWV 1060
『ヴァイオリンとオーボエのための協奏曲ハ短調』
12、I. Allegro  
13、II. Adagio  
14、III. Allegro  

Die Freude reget sich, BWV 36b  
 カンタータ『喜びがわき起こり』
 ライプツィヒ大学学長就任祝賀、誕生日祝賀の為の音楽
15、Mit zarten und vergnügten Trieben(Arie)

Ich habe genug BWV 82
 カンタータ『我は満ちたれり』
16、Ich habe genug... Schlummert ein, ihr matten Augen(Rezitativ & Arie)
   われは満ちたれり、いざ眠れ、疲れし眼よ

Gottfried Heinrich Stolzel(1690-1749)((原曲))
 ゴットフリート・ハインリヒ・シュテルツェル
17、Bist du bei mir BWV 508(Arie)
   御身が共にいるならば  

Lass Fürstin, lass noch ein Strahl  BWV 198
 カンタータ『候妃よ、さらに一条の光を』
 ザクセン選帝侯妃クリスティアーネ・エーバーハルディーネの為の哀悼頌歌
18、Verstummt, ihr holden Saiten(Arie)
    鳴るを止めよ、汝らやさしき琴糸よ




演奏
Nuria Rial(ソプラノ)
ヌリア・リアル
Julia Schröder(ヴァイオリン、指揮)
ユリア・シュレーダー
Benoît Laurent(オーボエ)
ブノワ・ローラン

Kammerorchester Basel
バーゼル室内管弦楽団


演奏時間
01:18:10


録音
スイス、ミュールハイム
2013年4月



DHM Deutsche Harmonia Mundi   88765482752
2013年12月17日

音楽で巡る、ヨハン・ゼバスティアン・バッハの妻アンナ・マグダレーナ・バッハの年代記。
自由な作曲活動が許された、ケーテン時代に生まれた世俗音楽集。


ここに収録されたアリアの多くは、他の曲を転用して詞を変えたもの。だからといって、つまらない訳じゃあない。かえって、世俗的な詞を与えられたおかげで、厳かな雰囲気が薄まって、旋律の美しさが際立っているのかもしれない。その響きは、あたたかな一条の光が射し込み、どこか安らぎに満ちている。

音楽を豊かにする、スペイン・カタルーニャ出身のソプラノ歌手、ヌリア・リアル 氏の歌唱が素晴らしい。魂が込められた澄んだ歌声が、心に響いてくる。この甘い響きの優しさを、生涯忘れることはないだろう。

お気に入りは、バッハが妻アンナ・マグダレーナに贈ったとされる音楽帳に含まれる、「 Ich habe genug BWV 82~われは満ちたれり、いざ眠れ、疲れし眼よ 」、「 Bist du bei mir BWV 508~御身が共にいるならば 」。とりわけロマンチックで美しい。妻への愛する気持ちを込めたのかもしれない。

何と云っても一番は、舞い上がる旋律に、ただ身をまかせること。ふと気付けば、もうすっかり、俗世間の煩わしさから解放されている。