2015年10月4日日曜日

遊佐未森『空耳の丘』

遊佐未森
MIMORI YUSA
空耳の丘
SORAMIMI ON THE HILL


作曲・外間隆史
編曲:外間隆史、遠山淳
01、空耳の丘

作詞・作曲:外間隆史
編曲:外間隆史・遠山淳
02、窓を開けた時

作詞・作曲:外間隆史
編曲:外間隆史、遠山淳
03、風の吹く丘

作詞・作曲:外間隆史
編曲:外間隆史、遠山淳
04、旅人

作詞:工藤順子
作曲:外間隆史
編曲:外間隆史、遠山淳
05、星屑の停留所(プラッツ)

作詞・作曲:遊佐未森
編曲:外間隆史、遠山淳
06、川

作詞:工藤順子
作曲:外間隆史
編曲:外間隆史、遠山淳
07、地図をください

作詞:工藤順子
作曲:外間隆史
編曲:外間隆史、遠山淳
08、日曜日

作詞:工藤順子
作曲・成田忍
編曲:外間隆史、遠山淳
09、ひまわり[Napraforgo]

作詞・作曲:太田裕美
編曲:外間隆史、遠山淳
10、夢のひと

作詞:工藤順子
作曲・遊佐未森
編曲:外間隆史、遠山淳
11、Run in the Rain

作曲・外間隆史
編曲:外間隆史・遠山淳
12、空耳の丘(Reprise)



演奏
遊佐未森 (ヴォーカル、コーラス、キーボード、マリンバ、リコーダー)
遠山淳 (コンピュータ、シンセサイザー・プログラミング)
青山純 (ドラム、パーカッション)
渡辺等 (ベース、マンドリン)
成田忍 (ギター)
古賀森男 (ギター)
沖山優司 (ベース)
鶴来正基 (ピアノ)
外間隆史 (シンセサイザー)
鈴木厚志 (ピアノ)
清水一登 (クラリネット)
橋本仁 (ケーナ)
斎藤ネコ (ストリングス)


演奏時間
48:07


録音
STUDIO FARM、一口坂STUDIO
Mixed at Westside Studios (London)

プロデュース:福岡知彦、外間隆史


EPIC/SONY RECORDS  32・8H-5079  (廃盤)
1989年04月07日 (Originally released in 1988年10月21日)

おとぎばなしの世界を音楽で表したような、夢溢れる精緻な音物語。
デビュー・アルバム『 瞳水晶』(1988年4月1日)から約半年後に発売された、2枚目の作品。

倉庫の整理を始めてから、遥か昔に忘れ、まったく聴かなくなってしまったCDの山の中から、その時々の気分で選び、楽しんでいる。


久しぶりに聴いてみると、意外と元気な曲が多いなとか、スローな曲『 川 』や『 夢のひと 』なんかは歌曲みたいだなとか、あれこれと思い浮かぶ。

遊佐未森氏が作詞、作曲を手掛ける『 川 』の素朴な味わいは貴重。こんな曲はもう書けないだろう。無垢の歌 。ウィリアム・ プレイクの詩みたいに、小さな幸福感に包まれる。

『 空耳の丘 』と云うタイトルのもと、10の歌がそれぞれの世界として広がり展開してゆく。

 ” 君 "と ” 僕 ” を中心とした、特別な何かを探し求める旅の物語となっているけれど、やっぱり、どこか夢想的。日常と非日常が曖昧に入り混じっているし、” 君 "と云う存在自体、時には” 僕 ” が創り出した幻のように希薄になったりもする。遠い少年の日の憧憬。

無駄に洗練されてカッコつけたファンタジーではなくて、優しくほのぼのした叙情に満ちている。これが、なかなか心地いい。

外間隆史氏の童話が付された初期の3作品、『 空耳の丘 』(1988)、『 ハルモニオデオン 』(1989)、『 HOPE 』(1990)には、時が流れても色褪せない力がある。
これは、楽曲やボーイソプラノのような遊佐未森氏の歌声の魅力は当然としても、ちょっとばかり風変わりな音世界を緻密に表現する、バックミュージシャンの技量が、圧倒的に高いからだろう。
なかでも、ドラマーの青山純氏(1957 - 2013)の迷いのない演奏は素晴らしい。



ソラミミ3部作と云われる、『 空耳の丘 』、『 ハルモニオデオン 』、『 HOPE 』。




なんだか、とても気になって映像作品を購入。『 mimo-real songs( 2014年06月25日発売)』+『 ササノハ オトノハ~七夕夢一夜~(2007年11月07日発売)』。
幸せに満ちた音楽に心温まる。
ずいぶんと大人の雰囲気になっているけれど、変わらない歌の魅力。

小編成の演奏をバックに歌い、リラックスした親密な雰囲気で進んでゆく『 ササノハ オトノハ~七夕夢一夜~ 』もいいけれど、入念に準備され、豪華なメンバーによる冴えた演奏と、遊佐未森氏の真摯な歌唱が展開される『 mimo-real songs 』はさらにいい。