2015年10月10日土曜日

遊佐未森『淡雪』

遊佐未森
淡雪


作詞、作曲:遊佐未森
編曲:渡辺 等
01、欅 ~光りの射す道で~

作詞、作曲:遊佐未森
編曲:渡辺 等
02、Snow Rose

作詞、作曲:遊佐未森
編曲:渡辺 等
03、花と夢

作詞、作曲:遊佐未森
編曲:渡辺 等
04、poetry days

作詞:遊佐未森
作曲:鴨宮 諒
編曲:渡辺 等
05、カラフル!

作詞、作曲:遊佐未森
編曲:渡辺 等
06、銀河に恋するプラネタリウム

作詞:佐伯孝夫(1902 - 1981)
作曲:吉田 正(1921 - 1998)
編曲:渡辺 等
07、いつでも夢を

作曲:遊佐未森
編曲:渡辺 等
08、アアルトの曲線

作詞、作曲:遊佐未森
編曲:渡辺 等
09、桜、 君思う

作詞、作曲:遊佐未森
編曲:遊佐未森、渡辺シュンスケ
10、Lily of the Valley

作詞、作曲:遊佐未森
編曲:渡辺 等
11、風の自転車




演奏
遊佐未森(ヴォックス、ピアノ、ベル)
佐野康夫(ドラムス)
渡辺 等(チェロ、ウクレレ、ギター、ベース、パーカッション、プログラミング)
今堀恒雄(ギター)
渡辺シュンスケ(キーボード)
楠 均(ドラムス、パーカッション)
西海 孝(ギター)
近藤研二(ギター)
影山敏彦(ギター)
吉野友加(アイリッシュハープ)

ゲスト
壇れい(ヴォーカル)


ミックス、マスタリング:Carl Malcolm
            カール・マルコム


演奏時間
48:05


プロデュース:遊佐未森
サウンドプロデュース:渡辺 等


ヤマハミュージックコミュニケーションズ  YCCW-10167
2012年01月18日

恐れに満ちた闇の中に輝く、夢と希望の光溢れる音世界。
遊佐未森氏のオリジナルとしては18枚目のアルバム。


古楽声楽曲の蒐集はやめられない。車内で聴こうとCDは用意してある。
でも、ふと、マイブームとも云える遊佐未森氏の音楽、その最新 (2015現在) のアルバムを聴いてみようと思い立った。
発売から3年ほど経って、この『 淡雪 』を手に入れたわけだ。
アルバムの紹介文に、3.11 云々とあるもんだから避けてしまったのかも知れない。


まず、飾らない言葉で憶いが綴られる『 欅(ケヤキ) ~光りの射す道で~ 』から始まる。

遊佐未森氏の、ある種の決意とも云える気持ちを表した歌に、思わず感動してしまう。
詞は語り調に進んでゆくのだけれど、そのあたたかい世界は広がりをみせ、次々と押し寄せる甘い旋律に涙が出そうにもなる。

彼女が自身のことをハッキリと歌った曲は、今までなかった気がする。こんなのを聴かされれば、心に響かないはずがない。もう1曲目で十分に満足。
ちょっとばかり悲しげでも、希望の光に満ちた音世界。その余韻は、『 Snow Rose 』、『 花と夢 』まで続く。

聴き進むと、少し雰囲気が変わって、ほのぼのした日常を切り取った、私小説的な夢想世界が展開してゆく。とぼけた味わいの愛らしい曲、疾走感溢れるポップな曲なんかもある。
幸福を感じる音楽。これがなかなか心地よい。


もうすっかり、『 桜、 君思う 』なんかは、ロマンチックな歌曲である。意識を超え広がる詞の世界と力強い旋律が織り成す、自然のやさしさに包まれた輪廻の歌は、悲しみを乗り越え美しく永遠に響く。

伸びやかな音楽が展開される、終曲『 風の自転車 』がこれまたいい。あたたかな陽射しの喜びを感じさせる歌声に、いつのまにか癒され涙していた。

” なぁんだ、もっとはやく買えばよかった。このアルバム、今までで一番好きかも " なんて思ったりもする。




ついでに、『Forest Notes-concert with tree-』(1990年)も購入。
再発DVD版 MHBL-107(2008年)

<内容>
森の中で開かれる遊佐未森&ソラミミ楽団の演奏会。
自然に抱かれ、神秘的な雰囲気漂う音楽が美しく響き渡る。
確かに聞こえるメロディーに誘われ、夢と現実が絡み合う不思議な世界に迷い込んでゆく。

それぞれのメンバーがなりきって演じている姿が、ほのぼのしていて癒される。楽器「ハルモニオデオン」も登場したりして、楽しく想像力豊かな映像作品。

衣装のイメージから幼稚に思えてしまうのなら、音楽劇みたいなものとして観ればいいかもしれない。いろんな見方ができるほどに完成度が高くて、すっかり魅了されてしまう。