2015年10月25日日曜日

Cara Dillon『Cara Dillon』

Cara Dillon
カーラ・ディロン
Cara Dillon



作詞、作曲:Traditional
編曲:Cara Dillon, Sam Lakeman
01、Black Is The Colour


作詞、作曲:Traditional
編曲:Cara Dillon, Sam Lakeman
02、Donald Of Glencoe


作詞、作曲:Traditional
編曲:Cara Dillon, Sam Lakeman
03、Craigie Hill


作詞、作曲:Traditional
編曲:Cara Dillon, Sam Lakeman
04、Green Grows The Laurel


作詞:Sir Samuel Ferguson
作曲:Traditional
編曲:Cara Dillon, Sam Lakeman
05、Lark In The Clear Air


作詞、作曲:Traditional
編曲:Cara Dillon, Sam Lakeman
06、The Lonesome Scenes Of Winter


作詞、作曲:Cara Dillon, Sam Lakeman
編曲:Cara Dillon, Sam Lakeman
07、Blue Mountain River


作詞、作曲:Cara Dillon, Sam Lakeman
編曲:Cara Dillon, Sam Lakeman
08、I Wish I Was


作詞、作曲:Traditional
編曲:Cara Dillon, Sam Lakeman
09、The Maid Of Culmore


作詞、作曲:Traditional
編曲:Cara Dillon, Sam Lakeman
10、She's Like The Swallow


作詞、作曲:Traditional
編曲:Cara Dillon, Sam Lakeman
11、I Am A Youth That's Inclined To Ramble




演奏
Cara Dillon (ヴォーカル)
カーラ・ディロン
Sam Lakeman (ピアノ,ハーモニウム ,オルガン)
サム・レイクマン
Mary Dillon (バッキングヴォーカル)
メアリー・ディロン
Seth Lakeman (ヴァイオリン ,ヴィオラ ,テナーギター ,マンドリン ,バッキングヴォーカル)
セス・レイクマン     
Ben Nicholls (アコースティック&アップライトベース)
ベン・ニコルズ
Roy Dodds (ドラム ,パーカッション)
ロイ・ダッズ
Sean Lakeman (アコースティックギター)
シーン・レイクマン
Luke Daniels (ボタンアコーディオン)
ルーク・ダニエルズ
Dan Goddard (アコースティックギター)
ダン・ゴダード
John Reynolds (ドラム)
ジョン・レイノルズ



プロデューサー:Sam Lakeman
        サム・レイクマン


演奏時間
45:30


録音
"The Firs" Devon. and "Rath na lochan" Co.Donegal.
2001



Rough Trade Records    RTRADECD 019
2001年7月16日

歌い継がれてきたシンプルで力強いメロディーの甘く懐かしい響き。
北アイルランド出身のフォーク歌手 カーラ・ディロン氏のファーストアルバム。


ひとつの音楽との出逢いから脇道へとそれてしまって、次から次へと聴きたい音楽があらわれたりする。道草は楽しいものだ。

遊佐未森氏の作品を巡っていたら、アイルランド音楽が聴きたくなってきた。
伝承歌なんかをポップにアレンジした、アイリッシュフォークがいい。
と云うことで、アイルランドのフォーク歌手 カーラ・ディロン氏のアルバム 『 Cara Dillon 』( 2001年) を持ち出した。

このアルバム、楽曲のアレンジがうまい。自己満足の為だけじゃあなくて、みんなに届けるポップな楽しさ。
美しい旋律に彩られた心地よい音楽が展開され、うれしくなる。

伝承歌の詞は、哀しいものなんだけれど、そこに寒々しい悲劇はなく、先人達の確かな存在と残された心のあたたかみに溢れる。

カーラ・ディロン氏は独特なアイリッシュの節回しで歌っているから、時々歌詞が聞き取れなかったりもする。出てくる地名どころか、歴史的な背景もほとんど知らないくらいだから、歌の本当の意味なんか分かっていないはず。それでも、全てを包み込むように、不思議と懐かしい感覚に満たされてゆく。

柔らかく晴れやかな歌声と説得力のある豊かな歌心がそうさせるのかもしれない。

いつまでも聴いていたい大切な音楽の一つ。



2015年10月10日土曜日

遊佐未森『淡雪』

遊佐未森
淡雪


作詞、作曲:遊佐未森
編曲:渡辺 等
01、欅 ~光りの射す道で~

作詞、作曲:遊佐未森
編曲:渡辺 等
02、Snow Rose

作詞、作曲:遊佐未森
編曲:渡辺 等
03、花と夢

作詞、作曲:遊佐未森
編曲:渡辺 等
04、poetry days

作詞:遊佐未森
作曲:鴨宮 諒
編曲:渡辺 等
05、カラフル!

作詞、作曲:遊佐未森
編曲:渡辺 等
06、銀河に恋するプラネタリウム

作詞:佐伯孝夫(1902 - 1981)
作曲:吉田 正(1921 - 1998)
編曲:渡辺 等
07、いつでも夢を

作曲:遊佐未森
編曲:渡辺 等
08、アアルトの曲線

作詞、作曲:遊佐未森
編曲:渡辺 等
09、桜、 君思う

作詞、作曲:遊佐未森
編曲:遊佐未森、渡辺シュンスケ
10、Lily of the Valley

作詞、作曲:遊佐未森
編曲:渡辺 等
11、風の自転車




演奏
遊佐未森(ヴォックス、ピアノ、ベル)
佐野康夫(ドラムス)
渡辺 等(チェロ、ウクレレ、ギター、ベース、パーカッション、プログラミング)
今堀恒雄(ギター)
渡辺シュンスケ(キーボード)
楠 均(ドラムス、パーカッション)
西海 孝(ギター)
近藤研二(ギター)
影山敏彦(ギター)
吉野友加(アイリッシュハープ)

ゲスト
壇れい(ヴォーカル)


ミックス、マスタリング:Carl Malcolm
            カール・マルコム


演奏時間
48:05


プロデュース:遊佐未森
サウンドプロデュース:渡辺 等


ヤマハミュージックコミュニケーションズ  YCCW-10167
2012年01月18日

恐れに満ちた闇の中に輝く、夢と希望の光溢れる音世界。
遊佐未森氏のオリジナルとしては18枚目のアルバム。


古楽声楽曲の蒐集はやめられない。車内で聴こうとCDは用意してある。
でも、ふと、マイブームとも云える遊佐未森氏の音楽、その最新 (2015現在) のアルバムを聴いてみようと思い立った。
発売から3年ほど経って、この『 淡雪 』を手に入れたわけだ。
アルバムの紹介文に、3.11 云々とあるもんだから避けてしまったのかも知れない。


まず、飾らない言葉で憶いが綴られる『 欅(ケヤキ) ~光りの射す道で~ 』から始まる。

遊佐未森氏の、ある種の決意とも云える気持ちを表した歌に、思わず感動してしまう。
詞は語り調に進んでゆくのだけれど、そのあたたかい世界は広がりをみせ、次々と押し寄せる甘い旋律に涙が出そうにもなる。

彼女が自身のことをハッキリと歌った曲は、今までなかった気がする。こんなのを聴かされれば、心に響かないはずがない。もう1曲目で十分に満足。
ちょっとばかり悲しげでも、希望の光に満ちた音世界。その余韻は、『 Snow Rose 』、『 花と夢 』まで続く。

聴き進むと、少し雰囲気が変わって、ほのぼのした日常を切り取った、私小説的な夢想世界が展開してゆく。とぼけた味わいの愛らしい曲、疾走感溢れるポップな曲なんかもある。
幸福を感じる音楽。これがなかなか心地よい。


もうすっかり、『 桜、 君思う 』なんかは、ロマンチックな歌曲である。意識を超え広がる詞の世界と力強い旋律が織り成す、自然のやさしさに包まれた輪廻の歌は、悲しみを乗り越え美しく永遠に響く。

伸びやかな音楽が展開される、終曲『 風の自転車 』がこれまたいい。あたたかな陽射しの喜びを感じさせる歌声に、いつのまにか癒され涙していた。

” なぁんだ、もっとはやく買えばよかった。このアルバム、今までで一番好きかも " なんて思ったりもする。




ついでに、『Forest Notes-concert with tree-』(1990年)も購入。
再発DVD版 MHBL-107(2008年)

<内容>
森の中で開かれる遊佐未森&ソラミミ楽団の演奏会。
自然に抱かれ、神秘的な雰囲気漂う音楽が美しく響き渡る。
確かに聞こえるメロディーに誘われ、夢と現実が絡み合う不思議な世界に迷い込んでゆく。

それぞれのメンバーがなりきって演じている姿が、ほのぼのしていて癒される。楽器「ハルモニオデオン」も登場したりして、楽しく想像力豊かな映像作品。

衣装のイメージから幼稚に思えてしまうのなら、音楽劇みたいなものとして観ればいいかもしれない。いろんな見方ができるほどに完成度が高くて、すっかり魅了されてしまう。

2015年10月4日日曜日

遊佐未森『空耳の丘』

遊佐未森
MIMORI YUSA
空耳の丘
SORAMIMI ON THE HILL


作曲・外間隆史
編曲:外間隆史、遠山淳
01、空耳の丘

作詞・作曲:外間隆史
編曲:外間隆史・遠山淳
02、窓を開けた時

作詞・作曲:外間隆史
編曲:外間隆史、遠山淳
03、風の吹く丘

作詞・作曲:外間隆史
編曲:外間隆史、遠山淳
04、旅人

作詞:工藤順子
作曲:外間隆史
編曲:外間隆史、遠山淳
05、星屑の停留所(プラッツ)

作詞・作曲:遊佐未森
編曲:外間隆史、遠山淳
06、川

作詞:工藤順子
作曲:外間隆史
編曲:外間隆史、遠山淳
07、地図をください

作詞:工藤順子
作曲:外間隆史
編曲:外間隆史、遠山淳
08、日曜日

作詞:工藤順子
作曲・成田忍
編曲:外間隆史、遠山淳
09、ひまわり[Napraforgo]

作詞・作曲:太田裕美
編曲:外間隆史、遠山淳
10、夢のひと

作詞:工藤順子
作曲・遊佐未森
編曲:外間隆史、遠山淳
11、Run in the Rain

作曲・外間隆史
編曲:外間隆史・遠山淳
12、空耳の丘(Reprise)



演奏
遊佐未森 (ヴォーカル、コーラス、キーボード、マリンバ、リコーダー)
遠山淳 (コンピュータ、シンセサイザー・プログラミング)
青山純 (ドラム、パーカッション)
渡辺等 (ベース、マンドリン)
成田忍 (ギター)
古賀森男 (ギター)
沖山優司 (ベース)
鶴来正基 (ピアノ)
外間隆史 (シンセサイザー)
鈴木厚志 (ピアノ)
清水一登 (クラリネット)
橋本仁 (ケーナ)
斎藤ネコ (ストリングス)


演奏時間
48:07


録音
STUDIO FARM、一口坂STUDIO
Mixed at Westside Studios (London)

プロデュース:福岡知彦、外間隆史


EPIC/SONY RECORDS  32・8H-5079  (廃盤)
1989年04月07日 (Originally released in 1988年10月21日)

おとぎばなしの世界を音楽で表したような、夢溢れる精緻な音物語。
デビュー・アルバム『 瞳水晶』(1988年4月1日)から約半年後に発売された、2枚目の作品。

倉庫の整理を始めてから、遥か昔に忘れ、まったく聴かなくなってしまったCDの山の中から、その時々の気分で選び、楽しんでいる。


久しぶりに聴いてみると、意外と元気な曲が多いなとか、スローな曲『 川 』や『 夢のひと 』なんかは歌曲みたいだなとか、あれこれと思い浮かぶ。

遊佐未森氏が作詞、作曲を手掛ける『 川 』の素朴な味わいは貴重。こんな曲はもう書けないだろう。無垢の歌 。ウィリアム・ プレイクの詩みたいに、小さな幸福感に包まれる。

『 空耳の丘 』と云うタイトルのもと、10の歌がそれぞれの世界として広がり展開してゆく。

 ” 君 "と ” 僕 ” を中心とした、特別な何かを探し求める旅の物語となっているけれど、やっぱり、どこか夢想的。日常と非日常が曖昧に入り混じっているし、” 君 "と云う存在自体、時には” 僕 ” が創り出した幻のように希薄になったりもする。遠い少年の日の憧憬。

無駄に洗練されてカッコつけたファンタジーではなくて、優しくほのぼのした叙情に満ちている。これが、なかなか心地いい。

外間隆史氏の童話が付された初期の3作品、『 空耳の丘 』(1988)、『 ハルモニオデオン 』(1989)、『 HOPE 』(1990)には、時が流れても色褪せない力がある。
これは、楽曲やボーイソプラノのような遊佐未森氏の歌声の魅力は当然としても、ちょっとばかり風変わりな音世界を緻密に表現する、バックミュージシャンの技量が、圧倒的に高いからだろう。
なかでも、ドラマーの青山純氏(1957 - 2013)の迷いのない演奏は素晴らしい。



ソラミミ3部作と云われる、『 空耳の丘 』、『 ハルモニオデオン 』、『 HOPE 』。




なんだか、とても気になって映像作品を購入。『 mimo-real songs( 2014年06月25日発売)』+『 ササノハ オトノハ~七夕夢一夜~(2007年11月07日発売)』。
幸せに満ちた音楽に心温まる。
ずいぶんと大人の雰囲気になっているけれど、変わらない歌の魅力。

小編成の演奏をバックに歌い、リラックスした親密な雰囲気で進んでゆく『 ササノハ オトノハ~七夕夢一夜~ 』もいいけれど、入念に準備され、豪華なメンバーによる冴えた演奏と、遊佐未森氏の真摯な歌唱が展開される『 mimo-real songs 』はさらにいい。