2015年12月23日水曜日

遊佐未森『カリヨン・ダンス』


番外編 レビュー


遊佐未森
カリヨン・ダンス


作詞、作曲:遊佐未森
編曲:遊佐未森、Watusi
01、カリヨン・ダンス
(NHKみんなのうた ’15年12月~ ’16年1月O.A. 予定)

作詞、作曲:遊佐未森
編曲:鹿島達也
02、クロ
(NHK みんなのうた ’05年12月~ ’06年1月 O.A. )

作詞、作曲:遊佐未森
編曲:渡辺等
03、I’m here with you
(NHKみんなのうた ’09年6月~7月 O.A. )

04、カリヨン・ダンス(オリジナル・カラオケ)




演奏
「カリヨン・ダンス」
楠 均(ドラム、パーカッション、ヴォイス)
Watusi(プログラミング、ベース)
西海 孝(アコースティックギター、エレクトリックギター、ヴォイス)
遊佐未森(ヴォックス、バッキングヴォーカル、ピアノ)


「クロ」
楠 均(ドラム)
鹿島達也(エレクトリックベース、パーカッション)
上田 禎(エレクトリックギター、アコースティックギター)
西海 孝(バンジョー)
阿部尚徳(オリジナルビート)
遊佐未森(ヴォックス、バッキングヴォーカル、ピアノ)


「 I’m here with you 」
楠 均(ドラム)
渡辺 等(アコースティックベース、ブズーキ、マンドリン、プサルタリー、プログラミング)
西海 孝(アコースティックギター)
高田 漣(ペダルスティールギター)
藤原道山(尺八)
寺田創一(プログラミング)
遊佐未森(ヴォックス、バッキングヴォーカル)


演奏時間
18:56


Yamaha Music  YCCW-30047
2015年12月09日

すべてを包み、空高く鳴り響く、カリヨンの福音。
NHK『みんなのうた』のために書かれた「カリヨン・ダンス」を中心に、過去の作品も収録したシングル盤。


忘れられた音楽の山の中から、ふと手にした遊佐未森氏の一枚のCD。これがきっかけとなって、この一年間、過去の作品から最新作まで聴いてきた。音楽にも奇跡的な出会いがあるのかもしれない。
とは云っても、新たに購入したのは『淡雪』(2012)と数本の映像作品のみ。感謝の気持ちを込めて、シングル盤『カリヨン・ダンス』を購入してみた。


NHK『みんなのうた』のために書かれた3曲が収められる。
『みんなのうた』と云えば、幼稚な感じなんて思うかもしれない。たしかに正しい。分かりやすさは、幼稚に映る。みんな、気取った言葉で強がって、本心なんて覆い隠して生活しているんだから。
嬉しかったり、楽しかったり、時には悲しかったりする、素直な気持ちの歌。飾り立てた言葉なんかじゃあなくて、心にぬくもりを伝えるシンプルな言葉。そんな歌が、新鮮で魅力的に感じられる。


時を告げる鐘の音が鳴り響き、優しい調べが街全体を包み込む、「 カリヨン・ダンス 」。ひとたび耳にすれば、すっかり幸せな気分。 喜びに溢れた軽快な音楽が、とにかく心地いい。「 街角 」や「 ブルッキーのひつじ 」みたいな雰囲気。

この、民族チックで不思議な舞踊曲。いつのまにか、訳もわからず心が弾み、楽しくなってゆく。チラッと間奏に現れたりするコーラスの甘美な響きが、心に潤いを取り戻す。

好みじゃあないと思っていたけれど、贅沢なひとときのプレゼント。もうすっかり、満たされた気分。


「 クロ 」、「 I’m here with you 」の2曲。
改めて聴いてみると、やっぱり、グッとくる、いい曲。

独特な美しい世界観を持つ歌が、豊かな感情を与えてくれた気がする。





以前購入した、『 Rondo Piccolo ~ロンド・ピッコロ~scene from Language of Flowers  』(1992年)。再発DVD版 MHBL-109(2008年)

~雲と風とダンス〜
遊佐未森氏の心象風景を描いたドキュメンタリー作品。
美しい波の音とともに、静かに心の声が聞こえてくる印象的なシーンから始まる。
アルバム『モザイク』に収録された組曲「Language of Flowers」を映像で表現したものなんだけど、なんとも不思議で幸福感に満ちた世界が展開してゆく。


突き抜けた甘美な表現。豊かな創造力。
もしかしたら、「カリヨン・ダンス」の世界と、根っこでは繋がっているのかもしれない。