2015年11月22日日曜日

Stefan Temmingh, Dorothee Mields『Birds』

Stefan Temmingh, Dorothee Mields
シュテファン・テミング、ドロテー・ミールズ
Birds
~バロック時代の鳥の標題音楽


Jean-Philippe Rameau (1683-1764)
ジャン=フィリップ・ラモー
Nouvelles Suites De Pieces De Clavecin
新クラヴサン組曲集第2番
01、V. La Poule
    雌鶏

George Frideric Handel (1685-1759)
ゲオルク・フリードリヒ・ヘンデル
Rinaldo, Hwv 7
歌劇『リナルド』
02、Augelletti Che Cantate (Adagio)
    さえずる小鳥達よ

作者不詳
03、This Merry Peasant Spring

Pietro Torri (CA. 1650-1737)
ピエトロ・トッリ
Ismene
歌劇『イスメーネ』
04、Son Rosignolo
  息子ナイチンゲールよ

Giuseppe Fedeli (CA. 1680-1733)
ジュセッペ・フェデリ
The Temple Of Love: Warbling The Birds Enjoying
  愛の寺院~楽しむ鳥のさえずり
05、Largo -Adagio -Largo -Allegro -
     Vivace -Adagio -Allegro -Slow

Thomas Augustine Arne (1710 – 1778)
トマス・オーガスティン・アーン
As You Like It
喜劇『お気に召すまま』
06、The Cuckoo (When daisies pied)
    カッコウ (まだらのヒナギクが)

Alessandro Poglietti (Early17th-1683)
アレッサンドロ・ポリエッティ
Rossignolo
イル・ロシニョーロ
07、Imitatione Del Medesimo Uccello
   夜鳴きうぐいす~鳥の模倣

Antonio Vivaldi (1678-1741)
アントニオ・ヴィヴァルディ
Flute Concerto In D Major, Op. 10 No. 3,"Il Gardellino"  Rv 428
フルート協奏曲 ニ長調 Op.10 - 『ごしきひわ』
08、I. Allegro
09、II. Cantabile
10、III. Allegro
   
作者不詳
Melismata
メリスマータ
11、The Three Ravens
    3羽のカラス

Michel Pignolet de Monteclair (1667-1737)
ミシェル・ピニョレ・ド・モンテクレール
Concerts Pour La Flute Traversiere Avec La Basse Chiffree: Les Tourterelles
   フリュート・トラヴェルシエールと通奏低音のためのコンセール
12、Tendrement

Reinhard Keiser (1674-1739)
ラインハルト・カイザー
Ulysses
ユリシーズ
13、Du Angenehme Nachtigall
    快いナイチンゲール

Francois Couperin (1668-1733)
フランソワ・クープラン
 Pieces De Clavecin II
クラヴサン曲集第2巻
14、Le Gazoüillement
     さえずり

MR.Quignard  (18th Century)
キニャール
Printemps
  春
15、tendrement
   恋するうぐいす

Louis-Claude Daquin (1694-1772)
ルイ=クロード・ダカン
Premier livre de pieces de clavecin, Suite No. 1
クラヴサン曲集 第1巻
16、Le Coucou  -rondeau
    かっこう

George Frideric Handel (1685-1759)
ゲオルク・フリードリヒ・ヘンデル
L’Allegro, Il Penseroso Ed Il Moderato, Hwv 55
オラトリオ『快活の人、沈思の人、温和の人』
Sweet Bird
甘き鳥
17、andante
    
John Bartlett (16th & 17th Century)
ジョン・バートレット
A Book Of Ayres (1606)
Sweet Birdes Deprive Us Never
優しい鳥達よ、奪わないで欲しい
18、PartI
19、PartII
20、PartIII



演奏
Stefan Temmingh (リコーダー)
シュテファン・テミング
Dorothee Mields (ソプラノ)
ドロテー・ミールズ


The Gentleman's Band(古楽合奏団)
ザ・ジェントルマンズ・バンド

Saskia Fikentscher(リコーダー)
サスキア・フィケンチャー
Wiebke Weidanz(ハープシコード、リコーダー)
ヴィプケ・ヴァイダンツ
Elisabeth Seitz(プサルタリー)
エリーザベト・ザイツ
Johanna Seitz(ハープ)
ヨハンナ・ザイツ
Axel Wolf (リュート、テオルボ)
アクセル・ヴォルフ
Domen Marincič (ヴィオラ・ダ・ガンバ)
ドーメン・マリンチッチ


La Folia Baroque Orchestra(古楽合奏団)
ラ・フォリア・バロックオーケストラ


演奏時間
72:30


録音
Himmelfahrtskirche, Munchen-Sendling, Germany
昇天教会 、ミュンヘン=ゼンドリング (ドイツ)
2015年2月24 -27日


DHM Deutsche Harmonia Mundi   88875141202
2015年11月13日

バロック時代の鳥の標題音楽集。
世界的に注目されるリコーダー奏者シュテファン・テミング氏と、ソプラノ歌手ドロテー・ミールズ氏の共演。


鳥の声を音楽で表現した作品を集めたもの。ナイチンゲールとかカッコウの鳴き声なんかをモチーフにして、美しい愛や春の訪れと裏切りなんかを象徴してゆく。
リコーダーを中心とした楽器や歌声で模倣された、甘美な響きが心地いい。

 ” これは違うな、すごいな  " と感じたのは、シュテファン・テミング氏の演奏するリコーダーの踊る音色。聴いていると本当に楽しくなってくる。もちろん、技術の優劣のことだけじゃあない。聴き手を高揚させる気持ちのこもった演奏ということ。ツマラナイから ” 先送りして次の曲へ " なんてことは、けっしてない。

ドロテー・ミールズ氏の歌唱がこれまたいい。その歌声は透き通るように美しいし、時には、茶目っ気たっぷりに歌う。絶妙なリコーダーとのかけ合いなんかも素晴らしい。

特に、楽しげな言葉遊びで皮肉を隠した、トマス・オーガスティン・アーン作「 The Cuckoo ( When daisies pied )〜カッコウ(まだらのヒナギクが)」なんかがそうだけど、堅苦しいクラシック音楽じゃあなくて、創造力に富んだ、きれいで愉快な曲たちを収めた音楽集なのが気に入った。聴いていると、思わず、心がほのぼのとしてくる。