2016年3月4日金曜日

Miriam Feuersinger『Christoph Graupner:Himmlische Stunden, selige Zeiten』

Miriam Feuersinger
ミリアム・ファウアージンガー
Graupner :  Himmlische Stunden, Selige Zeiten
グラウプナー:天国の時間、至福のとき 〜カンタータ集



Christoph Graupner (1683-1760)
クリストフ・グラウプナー


Kantate:Angst und Jammer, GWV 1145/11
カンタータ:恐れと嘆き
Text: Georg Christian Lehms (1684-1717)
ゲオルク・クリスティアン・レームス
01、Arie: Angst und Jammer
02、Rezitativ: Barmherzigkeit, Barmherzigkeit
03、Arie: Mein Elend druckt mich fast zu Boden
04、Rezitativ: Doch, blinde Grausamkeit
05、Arie: Himmlische Stunden

Ouvertüre in c-Moll
für Streicher & B.c. GWV 413 (Auszug)
序曲 ハ短調 (抜粋)
06、IV. Tombeau
第4楽章 トンボー

Kantate:Furcht und Zagen, GWV 1102/11b
カンタータ:憂いと不安
Text: Georg Christian Lehms (1684-1717)
ゲオルク・クリスティアン・レームス
07、Arie: Furcht und Zagen
08、Rezitativ: Die Zeit ist dat - Arioso: Ach, bereue deine Sunden - Rezitativ: Durch Reu' und Glauben
09、Arie da capo: Furcht und Zagen
10、Rezitativ: Ich will mich auch deswegen
11、Choral: O Jesu, hifl zur selben Zeit - Rezitativ: Ich hoff' es wird geschehn
12、Arie: Verstosse doch dein Erbteil nicht

Kantate:Ich bleibe Gott getreu, GWV 1106/19
カンタータ:私は神に忠実であり続ける
Text: Johann Conrad Lichtenberg (1689-1751)
ヨハン・コンラッド・リッテンバーグ
13、Arie: Ich bleibe Gott getreu
14、Rezitativ: Es geht so in der Welt
15、Arie: Tobt, ihr Feinde, immer fort
16、Rezitativ: So kann der Geist der Frommen siegen
17、Arie: Martersteine, die allhier
18、Rezitativ: Mein Herz, so freue dich
19、Arie: Muss ich gleich um Jesu leiden

Kantate:Ach Gott und Herr, GWV 1144/11
カンタータ:ああ、神と主よ
Text: Georg Christian Lehms (1684-1717)
ゲオルク・クリスティアン・レームス
20、Choral: Ach Gott und Herr
21、Rezitativ: O Gott, was hab ich doch getan
22、Arie: Seufzt und weint, ihr matten Augen
23、Rezitativ: Ich fuhle Pein bei meinen Sundenflammen
24、Arie da capo: Seufzt und weint, ihr matten Augen
25、Rezitativ: Doch Seele, geh zurucke
26、Arie: Stelle dich zufrieden, angefochtne Seele



演奏
Miriam Feuersinger (ソプラノ)
ミリアム・ファウアージンガー

Capricornus Consort Basel
カプリコルヌス・コンソート・バーゼル
Peter Barczi(バロック・ヴァイオリン)
Eva Borhi(バロック・ヴァイオリン)
Matthias Jäggi (バロック・ビオール)
Daniel Rosin (バロック・チェロ)
Michael Bürgin (ヴィオローネ)
David Blunden (オルガン、チェンバロ)
Julian Behr (テオルボ)

ゲスト
Xenia Löffler(バロック・オーボエ)


Peter Barczi (指揮、ヴァイオリン)
ペーテル・バルシ


演奏時間
1:15:53

録音
Heilig Kreuz Kirche (Basel,Switzerland)
ハイリッヒ・クロイツ教会(バーゼル、スイス)
2013年



Christophorus  CHR77381
2014年04月04日

天国の調べ、至福の歌声。
かつて、テレマンやヘンデルと並び称されながら、忘れ去られた作曲家の音楽。
三位一体後の日曜礼拝のための声楽曲を中心とした、知られざるドイツの作曲家クリストフ・グラウプナー (1683-1760) の宗教カンタータ集。

クリストフ・グラウプナーは、ヘッセン=ダルムシュタット方伯(在位:1678年 〜1739年)の宮廷楽団に職を得てから、その人生の大部分、ダルムシュタットで過ごし、宮廷のために音楽を作曲したと云うこと。散逸しなかった多くの作品が、演奏されるようになってきた。これは、とっても幸せなこと。

収録される、「 Angst und Jammer, GWV 1145/11 」、「 Furcht und Zagen, GWV 1102/11b 」、「 Ich bleibe Gott getreu, GWV 1106/19 」の3つのカンタータは、世界初録音。

宗教音楽と云えば、厳格で神聖なものをイメージするけれど、ここで展開される音楽は、きらびやかで、感情の高まりはドラマ仕立て。
天上へと続く、優しく絡み合う旋律。ゆったりとした刻の流れが、とにかく心地いい。

このCDで歌う、オーストリア、ブレゲンツ出身のソプラノ歌手ミリアム・ファウアージンガー氏が、これまた素晴らしい。

明るくとも暗くとも、濁りのない清色。小気味好い、甘く優雅な躍動。大きく、美しく響かせる歌声は、心を至福で満たしてゆく。

官能的なクリストフ・グラウプナーの音楽。他の作曲家の作品に、劣ることなく、美しい。
ドイツ・バロック音楽の奥深さ。底が知れない。

Capricornus Consort Basel



Peter Barczi

David Blunden

Matthias Jäggi, Daniel Rosin

Julian Behr

Xenia Löffler

 Miriam Feuersinger

2016年2月21日日曜日

rimacona 『Tasogare To Piano』

rimacona 
リマコナ
Tasogare To Piano
黄昏とピアノ


作詞:scott_ranzea
作曲:Natsuko Yanagimoto、Marihiko Hara
01、metronome

作詞:scott_ranzea
作曲:Marihiko Hara、Natsuko Yanagimoto
02、tell me

作詞;Marihiko Hara
作曲:Marihiko Hara
03、après-midi

作曲:Marihiko Hara
04、tu trouves quoi?

作詞:scott_ranzea
作曲:Marihiko Hara
05、tasogare to piano

作詞:Natsuko Yanagimoto、scott_ranzea
作曲:Marihiko Hara、Natsuko Yanagimoto
06、Gray sky

作曲:Marihiko Hara
07、In a twinkle

作詞:Natsuko Yanagimoto、scott_ranzea
作曲:Marihiko Hara、Natsuko Yanagimoto
08、small night

作詞:scott_ranzea、Natsuko Yanagimoto
作曲:Marihiko Hara
09、a bed in the sea

作詞:Natsuko Yanagimoto
作曲:Natsuko Yanagimoto、Marihiko Hara
10、fish

作詞:scott_ranzea
作曲:Marihiko Hara、Natsuko Yanagimoto
11、at eventide




演奏
rimacona
リマコナ
Natsuko Yanagimoto (ボーカル)
柳本奈都子
Marihiko Hara (ピアノ)
原摩利彦

Muranaka Masumi a.k.a polar M(ギター)



演奏時間
43:19


Parade  PARADE03
2010年10月10日

寂しげな現実と優しげな空想。黄昏に染まる夢の音物語。
柳本奈都子 氏と 原摩利彦 氏による、京都の二人組エレクトロニカ・ポップユニット rimacona(リマコナ)のファーストアルバム。


夢の中の音楽。説明のつかない幻想物語。
不確かな甘い記憶を綴る、静かな時の流れが、とにかく心地いい。

エレクトロニカと云っても、音響的なだけじゃあない。血が通う、力強く情感豊かな響き。内省的すぎない、ポップな歌心。

これは、おとなの子守唄。メトロノームの催眠術。溢れだすあたたかな優しさは、しだいに、心を虜にしてゆく。

柳本奈都子 氏の飾らない歌は魅力的。寂しげながらも美しい夢を見せてくれる。
どの曲でも、日本語でも英語でも、その印象は変わらない。

このアルバムは、最後まで通して聴いたほうがいい。繰り返して。
最初は、ぼんやりとしていても、ふと、忘れていた感情が蘇ってくるはず。心に残る、黄昏に染まった、いくつかの物語と記憶たちが。




2016年2月7日日曜日

Vashti Bunyan『Just Another Diamond Day』

Vashti Bunyan
ヴァシュティ・バニヤン
Just Another Diamond Day
ジャスト・アナザー・ダイアモンド・デイ 



作詞、作曲:Vashti Bunyan
01、Diamond Day
  ダイアモンド・デイ

作詞、作曲:Vashti Bunyan
02、Glow Worms
  土ボタル

作詞、作曲:Vashti Bunyan
03、Lily Pond
  スイレンの咲く池

作詞、作曲:Vashti Bunyan
04、Timothy Grub
  地虫のティモシー

作詞:John James
作曲:Vashti Bunyan
05、Where I Like to Stand
  私の佇みたい場所

作詞、作曲:Vashti Bunyan
06、Swallow Song
  ツバメの歌

作詞:Robert Lewis
作曲:Vashti Bunyan
07、Window Over the Bay
  入り江の窓

作詞、作曲:Vashti Bunyan
08、Rose Hip November
  薔薇の実の11月

作詞、作曲:Vashti Bunyan
09、Come Wind Come Rain
  風が吹こうと雨が降ろうと

作詞:Robert Lewis
作曲:Vashti Bunyan
10、Hebridean Sun
  ヘブリティーズ諸島の太陽

作詞、作曲:Vashti Bunyan
11、Rainbow River
  虹の川

作詞:Robert Lewis
作曲:Vashti Bunyan
12、Trawlerman's Song
  トロール漁師の歌

作詞、作曲:Vashti Bunyan
13、Jog Along Bess
  ベスとの旅路

作詞:Iris McFarlane
作曲:Wally Dix
14、Iris's Song for Us
  アイリスの書いた私たちの歌



Extra Tracks

作詞、作曲:Vashti Bunyan
15、Love Song
  ラヴ・ソング
   B-side of “Train Song“ single(1966)

作詞、作曲:Vashti Bunyan
16、I’d Like to Walk Around in Your Mind
  あなたの心を散歩できたなら
   Unreleased acetate(1967)

作詞、作曲:Vashti Bunyan
17、Winter Is Blue
  冬は青色
   Unreleased acetate(1966)

作詞;Iris McFarlane
作曲:Vashti Bunyan
18、Iris's Song for Us [Version Two]
  アイリスの書いた私たちの歌(ヴァージョン2)
   John Bunyan’s tape(1969)





演奏
Vashti Bunyan(ヴォーカル、ギター)
ヴァシュティ・バニヤン
Christopher Sykes(ピアノ、オルガン)
クリストファー・サイクス
John James(ダルシトーン)
ジョン・ジェイムス
Robin Williamson(フィドル、ホイッスル, アイリッシュハープ)
ロビン・ウィリアムソン
Dave Swarbrick (フィドル、マンドリン)
デイブ・スワーブリック
Simon Nicol(バンジョー)
サイモン・ニコル
Mike Crowther(ギター)
マイク・クロウサー



プロデュース:Joe Boyd
      ジョー・ボイド


演奏時間
39:52




Dicristina Stair  STEP04CD
2004年10月12日(再発)<オリジナル:1970年12月>

ダイアモンド・デイ。きらめく、ありふれた大切な1日
再評価された、英国のシンガーソングライター、ヴァシュティ・バニヤン氏の1970年作。

〜これは旅の歌。
ヴァシュティとボーイフレンドのロバート、そして、馬のベスと犬のブルーとが、古い緑色の馬車でゆく、ロンドンからスコットランド西岸のアウター・ヘブリディーズへの旅。その1年半ほどにわたる、情景の記憶。


すべてに、やさしくなれる気がした。

遊牧民みたいな旅から生まれた歌世界は、あまりにも純粋。
自然の、光と風に抱かれた、きらめく幸せな日々。あたたかな素朴さは、とても心地いい。

わかりやすい言葉で綴られる歌は、現代人には恐ろしい、丸裸の心。
ありふれた幻想の物語に思えてしまったら、不幸なことかもしれない。

洗練された技量なんかは、すっかりと無価値にして、ヴァシュティ・バニヤン氏の歌声は、心に響いてゆく。

お気に入りは、伝承歌風メロディにのって、のどかな旅の情景が展開する「 Jog Along Bess〜ベスとの旅路 」。テーマ曲とも云える、この歌。軽快なリズムに誘われて、すっかり幸せな気分。

生きるための、ささやかな1日。与えるための、ささやかな愛。
この無垢な歌が、現実の物語となったなら、すべての人が、もっと、やさしくなれるに違いない。

ダイアモンド・デイ。きらめく大切な1日が始まる。


Vashti Bunyan








2016年2月2日火曜日

Stereolab『Dots And Loops』

Stereolab
ステレオラブ
Dots And Loops
ドッツ・アンド・ループス



作詞、作曲:Tim Gane & Laetitia Sadie
01、Brakhage
  ブレーキヘッジ

作詞、作曲:Tim Gane & Laetitia Sadie
02、Miss Modular
  ミス・モジュール

作詞、作曲:Tim Gane & Laetitia Sadie
03、Flower Called Nowhere
  フラワー・コールド・ノーホエア

作詞、作曲:Tim Gane & Laetitia Sadie
04、Diagonals
  ダイアゴナルズ

作詞、作曲:Tim Gane & Laetitia Sadie
05、Prisoner of Mars
  プリズナー・オブ・マーズ

作詞、作曲:Tim Gane & Laetitia Sadie
06、Rainbo Conversation
  レインボウ・カンバセーション

作詞、作曲:Tim Gane, Andrew Ramsay, Laetitia Sadier
07、Refractions in the Plastic Pulse
  リフレクションズ・イン・ザ・プラスチック・パルス

作詞、作曲:Tim Gane & Laetitia Sadie
08、Parsec
  パーセック

作詞、作曲:Tim Gane & Laetitia Sadie
09、Ticker-Tape of the Unconscious
  ティッカー・テープ・オブ・ザ・アンカンシェス

作詞、作曲:Tim Gane & Laetitia Sadie
10、Contronatura
    コントロナテュラ

Bonus Track
11、Off-On
    オフ―オン




演奏
Tim Gane(ギター、ムーグ、ファルフィッサ・オルガン)
ティム・ゲイン
Mary Hansen(ギター、キーボード、バッキング ボーカル)
メアリー・ハンセン
Richard Harrison(ベース)
リチャード・ハリソン
Morgane Lhote(キーボード)
モーガン・ロート
Laetitia Sadier(ヴォーカル、ギター、キーボード)
レティシア・サディエール
Andy Ramsay(ドラム)
アンディー・ラムセイ

Instruments Played:
ヴォーカル、ファルフィッサ・オルガン、エレクトリックギター、ベース、アナログシンセサイザー&エレクトリック機器、フェンダー・ローズ・ピアノ、クラヴィネット、アコースティックギター、エレクトリック・パーカッション


Additional Instrumentation:

Chicago
Sean O'Hagan – piano, Fender Rhodes piano, Farfisa organ
John McEntire – analogue synthesizers and other electric devices,
        percussion, vibraphone, marimba
Douglas McCombs – acoustic bass

Düsseldorf
Andi Toma – electronics,electronic percussion
Jan St. Werner – special electronics, insect horns
Xavier "Fischfinger" Fischer – piano


Brass
Paul Mertens, Dave Max Crawford, Jeb Bishop,
Ross Reed

Brass Arrangements
Sean O'Hagan and Marcus Holdaway

Strings
Rebecca McFaul, Shelley Weiss, Poppy Branders,
Maureen Loughnane

Strings Arrangements
Sean O'Hagan and Marcus Holdaway



Produced:John McEntire, Andi Toma & Stereolab



Warner Music   WPCR75438
2008年8月

繰り返される虚ろな日々は、豊かな物語となって花開く。出会いで育つ状況劇場。そこは夢見るユートピア。
シカゴの音響派、トータスとドイツのエレクトロニカ・ユニット、マウス・オン・マーズも参加する、1997年9月にリリースされた5作目のアルバム。


テクノロジーを使いながらも、レトロな響き。ポップな60年代。ハッピーな実験性。極めて甘い歌の響きは、英国のメランコリーさえ、容易に消し去り、美しい夢物語と変える。

ステレオラブというグループ。1993年作『 TRANSIENT RANDOM - NOISE BURSTS WITH ANNOUNCEMENTS 〜騒音的美学の終焉 』を聴いてからお気に入り。不思議な歌とコーラスが特徴的な、なんだかよく分からない音楽。ありきたりなような、新鮮なような、つかみどころのない、ギター中心のバンドサウンド。

『 Dots And Loops 』での音世界は、さらに深化していて、もう別物なくらいポップでおしゃれ。またこれも、心地いいのは確か。
テーマとなる要素を繰り返し、有機的に曲を綴ってゆく様は見事。変幻自在、摩訶不思議。退屈なんて無縁。

イギリスのステレオラブ、そして シカゴ と デュッセルドルフ との幸せな出会い。この理想郷の音楽に、ただ魅了されるばかり。


2016年1月24日日曜日

SATSUKI SHIBANO『 Songe creux - Erik Satie piano collection 』

SATSUKI SHIBANO
柴野さつき
"Songe creux - Erik Satie piano collection"
「うつろな空想」~エリック・サティ・ピアノ・コレクション



Éric Alfred Leslie Satie(1866–1925)
エリック・アルフレッド・レスリ・サティ


01、1ère Gnossienne
   グノシエンヌ第1番

02、Rêverie du pauvre
    貧しき者の夢

03、Quadrille (Le piège de Méduse)
  カドリール舞曲(メデューサの罠)

04、Désespoir agréable
   快い絶望

05、2ème Gnossienne
   グノシエンヌ第2番

06、Avant-dernières pensées
   最後から2番目の思想
   ーIdylle
    牧歌           
        ーAubade
    朝の歌
    ーMéditation
    瞑想
   
07、3ème Gnossienne
   グノシエンヌ第3番

08、Prélude du 1er Acte =La Vocation (Trois préludes du Fils des étoiles)
   第1幕への前奏曲=使命(星たちの息子への3つの前奏曲)

09、1ère Gymnopedie
   ジムノペディ第1番

10、Son binocle (Les Trois Valses Distinguées du Précieux Dégoûté)
   彼の鼻眼鏡(嫌らしい気取り屋の3つの高雅なワルツ)

11、4ème Gnossienne
  グノシエンヌ第4番

12、Songe Creux
   うつろな空想

13、Facheux Exemple
   困った前例

14、Caresse
   愛撫

15、d'Edriophthalma (Embryons desséchés)
   甲殻類の胎児(ひからびた胎児)

16、Seul à la maison (Véritables préludes flasques (pour un chien))
   家でひとり(<犬のための>ぶよぶよした本当の前奏曲) 

17、5ème Gnossiene
   グノシエンヌ第5番

18、4ème Nocturne
   ノクターン第4番

19、Exercices
   練習

20、6ème Gnossienne
   グノシエンヌ第6番




演奏
柴野さつき (フランス製プレイエル・ピアノ< 1870年製、シリアルナンバー:51476 >)



Produced by Yoshio Ojima
Co-produced by Satsuki Shibano



演奏時間
56:00



録音
"Oizumi-cho Bunka-Mura" Hall (Gunma,Japan)
大泉町文化むらホール(群馬、日本)
1994年03月



This album is dedicated to Jean-Joël Barbier
このアルバムを ジャン=ジョエル・バルビエ氏(1920 - 1994)に捧ぐ



MEDIA RINGS   MGCC-1009
1995年02月25日
覆い尽くす、透明な感情。ただ、そこにある、たしかな夢の響き。
サティ演奏と研究の第一人者、故ジャン=ジョエル・バルビエ氏に師事した、仙台出身のピアニスト、柴野さつき氏によるエリック・サティ作品集。


型にはまった、癒しの音楽なんて、もうウンザリ。

好きになるのは一瞬。出会いはYouTube。
偶然目にした、ありふれた小規模な演奏会の模様。展開してゆく、サティの透明な世界。この美しく浮き上がる、内なる響きに惹かれるのは、もはや運命。

柴野さつき氏の演奏するサティは、ちっぽけな感情なんて無縁。哀しみや歓びなんてものは、はなから、存在しないみたい。夢の中の輝きだけが残る。

押し付けがましい超絶技巧や感情も、心の音楽の前では、すべて無意味。漂うサティの遊び心。その夢想的な美意識に、新たな発見があるのかもしれない。

ピアニスト、柴野さつき氏という存在と音に宿る生命。
安っぽい癒しの音楽に仕立てられたりする、エリック・サティの作品。そんなものとは、まったく違ったものであることは確か。

プレイエル・ピアノで奏でる魔法の音楽。そこにある、揺れ動き、空気のように漂う、柔らかな甘さは貴重。


2016年1月16日土曜日

The Bird and the Bee『 the bird and the bee 』

The Bird and the Bee
ザ・バード・アンド・ザ・ビー
the bird and the bee
ザ・バード・アンド・ザ・ビー



作詞、作曲:Inara George、Greg Kurstin
01、Again & Again
  アゲイン & アゲイン

作詞、作曲:Inara George、Greg Kurstin
02、Birds And The Bees
   バーズ・アンド・ザ・ビーズ

作詞、作曲:Inara George、Greg Kurstin
03、F*cking Boyfriend
  イケないボーイフレンド

作詞、作曲:Inara George、Greg Kurstin
04、I’m A Broken Heart
   アイム・ア・ブロークン・ハート

作詞、作曲:Inara George、Greg Kurstin
05、La La La
  ラ・ラ・ラ

作詞、作曲:Inara George、Greg Kurstin
06、My Fair Lady
  マイ・フェア・レディ

作詞、作曲:Inara George、Greg Kurstin
07、I Hate Camera
   アイ・ヘイト・カメラ

作詞、作曲:Inara George、Greg Kurstin
08、Because
   ビコーズ

作詞、作曲:Inara George、Greg Kurstin
09、Preparedness
   プリペアドネス

作詞、作曲:Inara George、Greg Kurstin
10、Spark
  スパーク



bonus track for japan:

作詞、作曲:Inara George、Greg Kurstin
11、F*cking Boyfriend (Ralphi Rosario & Db Radio Edit)
  イケないボーイフレンド

作詞、作曲:Inara George、Greg Kurstin
12、F*cking Boyfriend (Peaches Remix)
   イケないボーイフレンド




演奏
Inara George (ヴォーカル、ファズベース)
イナラ・ジョージ
Greg Kurstin(ファズベースとホルン以外の器楽演奏)
グレッグ・カースティン

David Ralicke(ホルン)
デイビット・ラリッケ


プロデュース:Greg Kurstin  for SKI Productions
       グレッグ・カースティン



演奏時間
00:44:41



録音
Echo Studio, Los Angeles, CA



EMIミュージック・ジャパン   TOCP-70192
2007年03月07日
現実は不思議でいっぱい。トリさんとハチさんの教育的音物語。
多くの著名アーティストの作品を手がける、ロサンゼルス在住の音楽プロデューサー、グレッグ・カースティン氏と、シンガーソングライター、イナラ・ジョージ氏のエレクトロ・ポップ・ユニット ” ザ・バード・アンド・ザ・ビー " のファーストアルバム。


聴かないほうがいい。しばらく耳から離れなくなってしまうから。

このグループ。名前からして ” The Bird and the Bee “ なんて付けて、音楽もふざけているかと思ったら大間違い。至極まっとうなポップス。
一曲目「 Again & Again 」から、すでにお手上げ。爽快なメロディは、くるくる駆け回り、頭の中を独り占め。歌は幸せの呪文のように繰り返す。
” あれ、なんか変だぞ “ と気付いたときには、もう手遅れ。すっかり、愉快な音楽の虜。

最初は、アップテンポな曲に惹かれるのだけれど、ゆったりとしたテンポの曲もいい。
切ない恋心を綴った「 I’m A Broken Heart 〜アイム・ア・ブロークン・ハート」や、悲しみに立ち止まらず、生きてゆこうと誓う「 Spark 〜スパーク」なんかが気になってくる。
言葉をこえた歌の力。ミュージカルの一場面みたいに盛り上げる、ハーモニーの甘い響き。夢心地。すべてが美しい。

レトロな60年代風メロディを纏った、キュートなエレクトロ・ポップ。展開される私小説的な歌世界。なんだかクセになる。繰り返す、幸せな気分。




2016年1月10日日曜日

Chick Corea & Gary Burton『Native Sense』

Chick Corea & Gary Burton 
チック・コリア & ゲイリー・バートン
Native Sense
ネイティヴ・センス



作曲:Chick Corea
01、Native Sense
    ネイティヴ・センス

作曲:Chick Corea
02、Love Castle
    ラヴ・キャッスル

作曲:Chick Corea
03、Duende
    デュエンデ

作曲:Chick Corea
04、No Mystery
    ノー・ミステリー

作曲:Chick Corea
05、Armando's Rhumba
    アーマンドズ・ルンバ

作曲:Béla Bartók (1881 - 1945)
06、Bagatelle, No. 6
     バガテル #6  

作曲:Chick Corea
07、Postscript
    ポスト・スクリプト

作曲:Béla Bartók (1881 - 1945)
08、Bagatelle, No. 2
    バガテル #2

作曲:Chick Corea
09、Tango '92
    タンゴ′92

作曲:Chick Corea
10、Rhumbata
       ルンバタ

作曲:Thelonious Monk (1917 - 1982)
11、Four in One
    フォー・イン・ワン

作曲:George Gershwin (1898 - 1937)
12、I Loves You Porgy
    アイ・ラヴズ・ユー・ポーギー




演奏
Chick Corea(ピアノ)
チック・コリア
Gary Burton(ヴィブラフォン、マリンバ)
ゲイリー・バートン



演奏時間
1:09:55


録音
Mad Hatter Studios (Studio A), Los Angels, CA
1997年


Universal Victor  MVCL-24003
1997年09月27日
浮世に煌めく、内なる音との対話。甘い旋律は重なり、熱き心は音楽に宿る。
『クリスタル・サイレンス』(1973年)以来となる、チック・コリア氏とゲイリー・バートン氏の共演作品。


前回のデュエット作『クリスタル・サイレンス』は、ジャケットの写真が気に入って、大きなレコードを買ったくらい、とても大好きな作品。静かに消えゆく幻想的な音世界が、心地いい。

この『ネイティブ・センス』。かつてのECMレコードの作品のような、魅力溢れるジャケットではないけれど、また別の側面を描いた続編なのかもしれない。

確信に満ちた力強い音世界は、洗練された美しいハーモニーを聴かせてくれる。内省的な幻想なんてものは、ここにはない。

ときに、不協する音も、瞬く間に、見事な甘い響きへと変わってゆく。緻密な空気。溢れだす情熱のきらめき。
二人のダイナミックな饗宴が、とにかく楽しい。ジャズの素晴らしさ。

冷ややかな幽玄の夢ではなく、現実に自分の中にある美の世界。この、血の通った音楽も、またお気に入り。

あとこれもいい。日本盤にのみ収録された、ガーシュウィン作「 I Loves You Porgy 〜愛するポーギー 」。切ない響きに、心惹かれ涙するに違いない。





2016年1月1日金曜日

Nuria Rial 『J.S.Bach: Arias』

Nuria Rial 
ヌリア・リアル
J.S.Bach: Arias
バッハ・アリア集
Chronik Der Anna Magdalena Bach
アンナ・マグダレーナ・バッハの年代記



Johann Sebastian Bach (1685-1750)
ヨハン・ゼバスティアン・バッハ


Was mir behagt  BWV 208
『狩りのカンタータ』
01、Schafe können sicher weiden(Arie)
   羊は安からに草を食み

Johann Philipp Krieger(1649 - 1725)((原曲))
 ヨハン・フィリップ・クリーガー
Die ausgesöhnte Eifersucht oder Cephalus und Procris:
 『 ケパロスとプロクリス』
02、Einsamkeit, du Qual des Hertzen(Arie)
      孤独

Durchlaucht'ster Leopold  BWV 173a
『いとも尊きレーオポルト閣下よ』
  アンハルト=ケーテン候レオポルト王子の誕生日祝賀の為の音楽
03、Güldner Sonnen frohe Stunden(Arie)
  黄金の太陽に照らされる幸せな時
                     
Jauchzet Gott in allen Landen  BWV 51
 カンタータ『もろびとよ歓呼して神を迎えよ』
04、Jauchzet Gott in allen Landen(Arie)
   もろびとよ歓呼して神を迎えよ

Violin Concerto in G Minor  BWV 1056
『ヴァイオリン協奏曲ト短調』
05、I. Ohne Satzbezeichnung  
06、II. Largo  
07、III. Presto  

Klagt, Kinder, klagt es aller Welt :Köthener Trauermusik  BWV 244a
 子らよ嘆け  :『葬送音楽』
 アンハルト=ケーテン候レオポルト王子の為の追悼音楽  
08、XI. Jedoch der schwache Mensch(Rezitativ)
09、XII. Mit Freuden sei die Welt verlassen(Arie)
10、XXI. Und du betrübtes Fürstenhaus(Rezitativ)
11、XXII. Hemme dein gequältes Kränken(Arie)

Concerto in C minor, for violin and oboe BWV 1060
『ヴァイオリンとオーボエのための協奏曲ハ短調』
12、I. Allegro  
13、II. Adagio  
14、III. Allegro  

Die Freude reget sich, BWV 36b  
 カンタータ『喜びがわき起こり』
 ライプツィヒ大学学長就任祝賀、誕生日祝賀の為の音楽
15、Mit zarten und vergnügten Trieben(Arie)

Ich habe genug BWV 82
 カンタータ『我は満ちたれり』
16、Ich habe genug... Schlummert ein, ihr matten Augen(Rezitativ & Arie)
   われは満ちたれり、いざ眠れ、疲れし眼よ

Gottfried Heinrich Stolzel(1690-1749)((原曲))
 ゴットフリート・ハインリヒ・シュテルツェル
17、Bist du bei mir BWV 508(Arie)
   御身が共にいるならば  

Lass Fürstin, lass noch ein Strahl  BWV 198
 カンタータ『候妃よ、さらに一条の光を』
 ザクセン選帝侯妃クリスティアーネ・エーバーハルディーネの為の哀悼頌歌
18、Verstummt, ihr holden Saiten(Arie)
    鳴るを止めよ、汝らやさしき琴糸よ




演奏
Nuria Rial(ソプラノ)
ヌリア・リアル
Julia Schröder(ヴァイオリン、指揮)
ユリア・シュレーダー
Benoît Laurent(オーボエ)
ブノワ・ローラン

Kammerorchester Basel
バーゼル室内管弦楽団


演奏時間
01:18:10


録音
スイス、ミュールハイム
2013年4月



DHM Deutsche Harmonia Mundi   88765482752
2013年12月17日

音楽で巡る、ヨハン・ゼバスティアン・バッハの妻アンナ・マグダレーナ・バッハの年代記。
自由な作曲活動が許された、ケーテン時代に生まれた世俗音楽集。


ここに収録されたアリアの多くは、他の曲を転用して詞を変えたもの。だからといって、つまらない訳じゃあない。かえって、世俗的な詞を与えられたおかげで、厳かな雰囲気が薄まって、旋律の美しさが際立っているのかもしれない。その響きは、あたたかな一条の光が射し込み、どこか安らぎに満ちている。

音楽を豊かにする、スペイン・カタルーニャ出身のソプラノ歌手、ヌリア・リアル 氏の歌唱が素晴らしい。魂が込められた澄んだ歌声が、心に響いてくる。この甘い響きの優しさを、生涯忘れることはないだろう。

お気に入りは、バッハが妻アンナ・マグダレーナに贈ったとされる音楽帳に含まれる、「 Ich habe genug BWV 82~われは満ちたれり、いざ眠れ、疲れし眼よ 」、「 Bist du bei mir BWV 508~御身が共にいるならば 」。とりわけロマンチックで美しい。妻への愛する気持ちを込めたのかもしれない。

何と云っても一番は、舞い上がる旋律に、ただ身をまかせること。ふと気付けば、もうすっかり、俗世間の煩わしさから解放されている。




2015年12月25日金曜日

湯川潮音『灰色とわたし』

湯川潮音
灰色とわたし


作詞、作曲:湯川潮音
編曲:クマ原田
01、風よ吹かないで

作詞、作曲:湯川潮音
編曲:クマ原田
02、見つめてごらん

作詞、作曲:湯川潮音
編曲:クマ原田
03、秘密

作詞:湯川潮音、オオヤユウスケ  
作曲:オオヤユウスケ
編曲:クマ原田
04、しずくのカーテン

作詞:湯川潮音  
作曲:黒沢健一
編曲:クマ原田
05、シェルブールの雨

作詞、作曲:湯川潮音
編曲:クマ原田
06、明日になれば

作詞、作曲:Donovan Phillips Leitch
編曲:クマ原田
07、恋は月をめざして(Voyage of the Moon)

作詞、作曲:湯川潮音
編曲:クマ原田
08、朝が終わる前の花

作詞、作曲:湯川潮音
編曲:クマ原田
09、巻き貝とわたし

作詞:湯川潮音  
作曲:湯川潮音、クマ原田
編曲:クマ原田
10、キャロル



演奏
湯川潮音(ヴォーカル、ハンドクラップ)
クマ原田(ダブルベース、アコースティックギター、ハンドクラップ、パーカッション)
Graham Henderson(アコースティックギター、ドブロ、キーボード、マンドリン、ホイッスル)
Jake Walker(ヴァイオリン、ビオラ)


プロデュース:クマ原田


演奏
39:53


録音
Ten 21Studio, Kent, England and The Bunker, Hertfordshire, England


EMI Music Japan / Capitol Records  TOCT-26518
2008年07月02日

灰色の空の下、よみがえる幸せな感情。心の奥底に秘められた、本当に大切なもの。
『湯川潮音』(2006)に続く、メジャー後2作目のアルバム。


独特な詩的世界と優しく素朴な味わいの歌声が魅力的な湯川潮音 氏。
この作品『灰色とわたし』。タイトルからして明るくはない。” 灰色 ” と云う言葉の持つマイナスのイメージはかなり大きい。色と感情。” 灰色 ” と付くだけで、味気なく喜びのない憂うつな気分。
でもなぜか、聴いていると、身も心も軽くなって、安らぎに支配されるから不思議。

すべてを覆い尽くす灰色の空。愛の記憶は幻のように隠されてゆく。
いまは、心の奥に、薄れる感情のカケラだけが残る。

こんなにも、美しい歌声は、かつて聴いたことがなかった気がする。天使の歌声。
その飾り気のない無垢の響きは、瞬く間に魂を虜にする。神秘の輝き。
あたたかな、人の心と心で繋がる歌に、すっかり魅了されてしまう。

幻想的な物語として綴られた愛の歌世界。けっして悲しくなんかない。甘美な記憶をたどる旅のおはなし。ただ自分を信じ、新たな光を探し求めて。





2015年12月23日水曜日

遊佐未森『カリヨン・ダンス』


番外編 レビュー


遊佐未森
カリヨン・ダンス


作詞、作曲:遊佐未森
編曲:遊佐未森、Watusi
01、カリヨン・ダンス
(NHKみんなのうた ’15年12月~ ’16年1月O.A. 予定)

作詞、作曲:遊佐未森
編曲:鹿島達也
02、クロ
(NHK みんなのうた ’05年12月~ ’06年1月 O.A. )

作詞、作曲:遊佐未森
編曲:渡辺等
03、I’m here with you
(NHKみんなのうた ’09年6月~7月 O.A. )

04、カリヨン・ダンス(オリジナル・カラオケ)




演奏
「カリヨン・ダンス」
楠 均(ドラム、パーカッション、ヴォイス)
Watusi(プログラミング、ベース)
西海 孝(アコースティックギター、エレクトリックギター、ヴォイス)
遊佐未森(ヴォックス、バッキングヴォーカル、ピアノ)


「クロ」
楠 均(ドラム)
鹿島達也(エレクトリックベース、パーカッション)
上田 禎(エレクトリックギター、アコースティックギター)
西海 孝(バンジョー)
阿部尚徳(オリジナルビート)
遊佐未森(ヴォックス、バッキングヴォーカル、ピアノ)


「 I’m here with you 」
楠 均(ドラム)
渡辺 等(アコースティックベース、ブズーキ、マンドリン、プサルタリー、プログラミング)
西海 孝(アコースティックギター)
高田 漣(ペダルスティールギター)
藤原道山(尺八)
寺田創一(プログラミング)
遊佐未森(ヴォックス、バッキングヴォーカル)


演奏時間
18:56


Yamaha Music  YCCW-30047
2015年12月09日

すべてを包み、空高く鳴り響く、カリヨンの福音。
NHK『みんなのうた』のために書かれた「カリヨン・ダンス」を中心に、過去の作品も収録したシングル盤。


忘れられた音楽の山の中から、ふと手にした遊佐未森氏の一枚のCD。これがきっかけとなって、この一年間、過去の作品から最新作まで聴いてきた。音楽にも奇跡的な出会いがあるのかもしれない。
とは云っても、新たに購入したのは『淡雪』(2012)と数本の映像作品のみ。感謝の気持ちを込めて、シングル盤『カリヨン・ダンス』を購入してみた。


NHK『みんなのうた』のために書かれた3曲が収められる。
『みんなのうた』と云えば、幼稚な感じなんて思うかもしれない。たしかに正しい。分かりやすさは、幼稚に映る。みんな、気取った言葉で強がって、本心なんて覆い隠して生活しているんだから。
嬉しかったり、楽しかったり、時には悲しかったりする、素直な気持ちの歌。飾り立てた言葉なんかじゃあなくて、心にぬくもりを伝えるシンプルな言葉。そんな歌が、新鮮で魅力的に感じられる。


時を告げる鐘の音が鳴り響き、優しい調べが街全体を包み込む、「 カリヨン・ダンス 」。ひとたび耳にすれば、すっかり幸せな気分。 喜びに溢れた軽快な音楽が、とにかく心地いい。「 街角 」や「 ブルッキーのひつじ 」みたいな雰囲気。

この、民族チックで不思議な舞踊曲。いつのまにか、訳もわからず心が弾み、楽しくなってゆく。チラッと間奏に現れたりするコーラスの甘美な響きが、心に潤いを取り戻す。

好みじゃあないと思っていたけれど、贅沢なひとときのプレゼント。もうすっかり、満たされた気分。


「 クロ 」、「 I’m here with you 」の2曲。
改めて聴いてみると、やっぱり、グッとくる、いい曲。

独特な美しい世界観を持つ歌が、豊かな感情を与えてくれた気がする。





以前購入した、『 Rondo Piccolo ~ロンド・ピッコロ~scene from Language of Flowers  』(1992年)。再発DVD版 MHBL-109(2008年)

~雲と風とダンス〜
遊佐未森氏の心象風景を描いたドキュメンタリー作品。
美しい波の音とともに、静かに心の声が聞こえてくる印象的なシーンから始まる。
アルバム『モザイク』に収録された組曲「Language of Flowers」を映像で表現したものなんだけど、なんとも不思議で幸福感に満ちた世界が展開してゆく。


突き抜けた甘美な表現。豊かな創造力。
もしかしたら、「カリヨン・ダンス」の世界と、根っこでは繋がっているのかもしれない。

2015年12月13日日曜日

Sabine Devieilhe『Mozart: The Weber Sisters』

Sabine Devieilhe 
サビーヌ・ドゥヴィエル
Mozart: The Weber Sisters
モーツァルト・アリア集~ウェーバー三姉妹



Wolfgang Amadeus Mozart (1756-1791)
ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト


I  Prologue : La confidence naïve,  ou  l'attente
  プロローグ:純情なる打明け話、または期待

Les petits riens, K. 299b
「レ・プティ・リアン」
01、Overture
    序曲
02、Ah, vous dirais-je maman, K. 265
     ああ、お母さん聞いて
03、Dans un bois solitaire, K. 308
    人里離れた森の中で
Pantomime Pantalon and Columbine, K. 446
パントマイム劇「パンタロンとコロンビーネ」
04、Adagio
   アダージョ


 II  Aloysa,  mia carissima amica
 アロイジア 我が親愛なる友

05、Alcandro, lo confesso... Non so d'onde viene, K. 294
 アルカンドロよ、私は告白しよう、どこより訪れるのか私は分からぬ
06、Vorrei spiegarvi, oh Dio, K. 418
   ああ、できるならあなた様にお教えしたいものです
07、Popoli di Tessaglia... Io non chiedo, eterni dei, K. 316
   テッサリアの民よ!私は求めはいたしません、不滅の神々よ
08、Nehmt meinen Dank, K. 383
   わが感謝をうけたまえ、やさしき保護者よ


III  Josepha,  ou l’entrée dans la Lumière
 ヨゼーファ、または光の中に入って

09、Adagio  K. 410, en fa majeur
  2つのバセット・ホルンとファゴットのためのアダージョ ヘ長調
10、Schon lacht der holde Frühling, K. 580
   すでにやさしき春はほほえみ
Die Zauberflöte, K. 620
  歌劇「魔笛」
11、Der Hölle Rache (Königin der Nacht)
  復讐の炎は地獄のように我が心に燃え <夜の女王のアリア>
Thamos, König in Aegypten, K. 345
 英雄劇「エジプトの王ターモス」
12、n° 5  Allegro vivace assai
 第5番 間奏曲 アレグロ・ヴィヴァーチェ・アッサイ


 IV  Per mia cara Constanze
 私の愛しいコンスタンツェのために

Die Zauberflöte, K. 620
  歌劇「魔笛」
13、March of the Priests
    神官の行進
14、Solfeggio, K. 393 n° 2 en fa Majeur
   ソルフェッジョ K.393 No.2 ヘ長調
Mass in C minor, K. 427
  ミサ曲 ハ短調
15、Et incarnatus est
   肉体をとりたまいし者




演奏
Sabine Devieilhe (ソプラノ)
サビーヌ・ドゥヴィエル
Arnaud De Pasquale (フォルテピアノ、オルガン)
アルノー・ディ・パスカル
Raphaël Pichon (指揮)
ラファエル・ピション
Pygmalion Baroque Ensemble (古楽器オーケストラ)
アンサンブル・ピグマリオン


演奏時間
01:12:16


録音
パリ、ノートルダム・デュ・リバン教会
2015年1月


Erato  2564601625
2015年11月06日

モーツァルトの複雑に絡み合う愛の関係と、その音楽に影響を与えるフリーメイソンの存在。謎を紐解くかのように構成された、ウェーバー三姉妹のための歌曲集。


新譜が出ると気になって買ってしまう、モーツァルトの歌曲集。
はじめて、『 Rita Streich singt Opern-Arien 』に収録された「夜の女王のアリア」を聴いたときの衝撃が忘れられなくて、買い続けている。演奏が巧いなとか、歌声が美しいなとか思うのだけど、いつもどこか満たされない。でも、そろそろ、良い頃かもしれない。

フランスのソプラノ歌手、サビーヌ・ドゥヴィエル 氏の甘美な歌声は、新世代の幕開けを宣言するかのように、高らかに響き渡る。

リタ・ シュトライヒ 氏の歌唱とは違うけれど、心に迫る美しさがある。その、魔力とも云える音楽の精神性は、もはや、比べるものなど存在しない。内面から溢れ出す巧みな表現は、まやかしではなく、人間の魂を感じさせてゆく。

魅力をうまく引き出しているのが、アンサンブル・ピグマリオンを率いる、フランスの若手指揮者、ラファエル・ピション 氏。
モーツァルトの旋律の美しさや情感の躍動。長い眠りから覚め、本来の輝きを取り戻したかのような、新鮮な音楽を届けてくれる。

モーツァルトとウェーバー三姉妹の物語。映画なんかもあった気がするけれど、実際はどうだったのか ? この歌曲集は、そんな興味を抱かせる。そして、フリーメイソンとの関係にも。すべて謎。

隠された謎。突如聞こえてくる " Leck mich im Arsch 〜 " 。こちらは、なぜかうれしいけれど。

Raphaël Pichon & Sabine Devieilhe

Pygmalion Baroque Ensemble




2015年12月9日水曜日

Meredith Hall『My Love is Like a Red, Red Rose』

Meredith Hall / La Nef
メレディス・ホール/ラ・ヌフ
My Love is Like a Red, Red Rose
恋人は赤いバラのよう
〜ロバート・バーンズの詩によるシャンソン集




01、Craigieburn Wood
 クレイギーバーンの木

02、Charlie, he's my darling
  私の最愛のチャーリー
  
03、Comin Thro' the Rye (Air : Miller's Wedding)
    ライ麦畑で出逢ったら

作曲:John Playford(1623-1686)
04、Grimstock/ The Old Mole/ Cuckolds All a Row  (from  Dancing Master, 1651)

05、When O'er the Hill the E'ening Star (Air : The Lea-Rig/ My Ain Kind Dearie, O)

作曲:Turlough O'Carolan (1670-1738)
06、Hugh O'Donnell
  ヒュー・オドネル

07、Simmer's a Pleasant Time (Air : Ay Waukin' O)

08、What Can a Young Lassie (Air : What Shall I Do with an Auld Man)

09、My Tocher's the Jewel (Air : The Mucking of Geordie's Byre)

10、She's Fair and Fause (Air : The Lads of Leith)

11、Gloomy Night Is Gath'ring Fast (Air : Roslin Castle)
   
作曲:Turlough O'Carolan (1670-1738)
12、Carolan's Dream
      カロランの夢

13、My Love Is Like a Red, Red Rose (Air : Low Down in the Broom)
    恋人は赤いバラのよう

14、Last May, A Braw Wooer (Air : The Lothian Lassie)

Traditional / Welsh Traditional
15、Welsh Dance "pwt-Ar-Y-Bys"

16、My Love Was Born in Aberdeen (Air : The White Cockade)

17、O Let Me In This Ae Night (Air : Will You Lend Me Your Loom, Lass)

作曲:Turlough O'Carolan (1670-1738)
18、Lament for Owen Roe O'Neill
   オウェン・ロー・オニールへの悲歌

19、John Anderson, My Jo
   ジョン・アンダーソン、我がジョー

20、Ye Banks and Braes(Air :  Caledonian Hunt's Delight)
   美しいドゥーン川の岸辺

21、Now Nature hangs her mantle green (Air : Mary Queen of Scots, Lament)
  
作曲:Turlough O'Carolan (1670-1738)
22、Sheebeg and Sheemore (Sí Beag is Sí Mór)
      シーベグとシーモア

作曲:Turlough O'Carolan (1670-1738)
23、Bumper Squire Jones
  バンパー・スクワイア・ジョーンズ

作曲:Turlough O'Carolan (1670-1738)
24、Carolan's Favorite Jig
  カロランのお気に入りのジグ

25、Should auld acquaintance be forgot (Air : Auld Lang Syne)
             古き友は忘れられて







演奏
Meredith Hall(ソプラノ)
メレディス・ホール

La Nef(古楽アンサンブル)
ラ・ヌフ
Sylvain Bergeron (バロックギター、テオルボ、指揮)
Claire Gignac (リコーダー)
Elise Guay (リコーダー、バグパイプ)
Betsy MacMillan (ヴィオラ・ダ・ガンバ)
Robin Grenon (ケルティック・ハープ)
Patrick Graham (パーカッション)




演奏時間
01:11:18




ATMA Classique  ACD22336
2004 年08月12日

歌に込められた郷愁に満ちた人々の想い。スコットランドの詩人ロバート・バーンズの詩による歌曲集。
日本で唱歌として親しまれる、大和田 建樹 氏(1857-1910)が日本語の詞を付けた「 故郷の空 」の原曲「 Comin' Thro' the Rye 」、稲垣千頴 氏(1845 - 1913) 作詞の「 蛍の光 」の原曲「 Auld Lang Syne 」収録。



スコットランドの伝承歌に手を加え、蘇らせた詩人ロバート・バーンズ(1759-1796)。370ほどあると云われる中から、15のバーンズの歌が選ばれている。
おもに、いろいろな愛の歌が展開されてゆく。幸せであったり、悲しみであったり、簡単であったり、複雑であったり、男であったり、女であったり。
2つの政治的な内容の歌「Charlie, he's my darling」、「Now Nature hangs her mantle green」が含まれるのも興味深い。


知らないはずの異国のメロディが、なぜか心地いい。郷愁に満ちた響き。

美しい音楽に、ただ身をまかせれば、それでいいと思う。
たくさん出てくるスコットランド方言。言葉がわからなくても気にする必要はない。幼い頃に教わり歌った、日本語の童謡や唱歌でも、わからない ” 古い言葉 " が使われているんだから、同じじゃあないかと、勝手に納得したりする。音楽は言葉を超えることだってある。

好みの問題だけど、ロバート・バーンズ の歌曲集の中で、このCDが一番お気に入り。
ケルティック・ハープの優しい音色に誘われ、とてもリラックスした雰囲気で進んでゆく。歌の合間に収録される、Welsh Dance「 pwt-Ar-Y-Bys 」や ターロック・オキャロラン (1670-1738) 作曲の「 Hugh O'Donnell 」、「 Carolan's Favorite Jig 」なんかの演奏が、これまた楽しい。

カナダ出身のソプラノ歌手、メレディス・ホール氏と古楽アンサンブル、ラ・ヌフによって紡がれる澄みきった音楽は、忘れがたい心の安らぎを与えてくれる。

Meredith Hall

La Nef

2015年12月5日土曜日

ALEXANDER GRYCHTOLIK『 J.S.Bach: Köthener Trauermusik BWV 244a 』

ALEXANDER GRYCHTOLIK
アレクサンダー・グリヒトリーク
J.S.Bach: Köthener Trauermusik  BWV 244a
バッハ:レオポルト侯のための葬送音楽



Johann Sebastian Bach (1685-1750)
ヨハン・ゼバスティアン・バッハ
台本:Christian Friedrich Henrici < Picander > (1700 – 1764)
クリスティアン・フリードリヒ・ヘンリーツィ <ピカンダー>
Köthener Trauermusik  BWV 244a
『 レオポルト侯のための葬送音楽 』
(アレクサンダー・グリヒトリークによる復元版)


Erste Abteilung・Part One
01、Chorus:  Klagt, Kinder, klagt es aller Welt
02、Recitativo:  Oh Land! Bestürztes Land
03、Aria:  Weh und Ach
04、Recitativo:  Wie wenn der Blitze Grausamkeit
05、Aria:  Zage nur, du treues Land
06、Recitativo:  Ah ja! Wenn Tränen oder Blut
07、Chorus:  Komm wieder, teurer Fürsten-Geist

Zweite Abteilung・Part Two
08、Chorus:  Wir haben einen Gott, der da hilft
09、Recitativo:  Betrübter Anblick voll Erschrecken
10、Aria:  Erhalte mich
11、Recitativo:  Jedoch der schwache Mensch erzittert nur
12、Aria:  Mit Freuden sei die Welt verlassen
13、Recitativo:  Wohl also dir
14、Repetatur dictum (Wiederholung Chorus Nr.8/repeat of no.8)

Dritte Abteilung・Part Three
15、Chorus: Aria:  Laß, Leopold, dich nicht begraben
16、Aria:  Wie könnt es möglich sein
17、Aria:  Wird auch gleich nach tausend Zähren
18、Recitativo:  Und, Herr, das ist die Spezerei
19、Aria:  Geh, Leopold, zu deiner Ruhe

Vierte Abteilung・Part Four
20、Aria:  Bleibet nur in eurer Ruh
21、Recitativo:  Und du, betrübtes Fürstenhaus
22、Aria:  Hemme dein gequältes Kränken
23、Recitativo:  Nun scheiden wir
24、Chorus:  Die Augen sehn nach deiner Leiche




演奏
Gudrun Sidonie Otto(ソプラノ)
グズルン・シドニー・オットー
David Erler(アルト)
ダーフィト・エーラー
Hans Jorg Mammel(テノール)
ハンス・イェルク・マンメル
Daniel Ochoa(バス)
ダニエル・オチョア

Deutsche Hofmusik Chor
ドイツ・ホーフムジーク合唱団
Deutsche Hofmusik(ピリオド楽器オーケストラ)
ドイツ・ホーフムジーク

Alexander Grychtolik(チェンバロ、オルガン、指揮)
アレクサンダー・グリヒトリーク


演奏時間
01:13:28


録音
ケーテン、聖ヤコプ教会
2014年9月


DHM Deutsche Harmonia Mundi 88875164222
2015年12月04日

独自のアプローチを加えたバッハのカンタータ復元、演奏で知られる、ドイツのチェンバロ奏者、音楽学者のアレクサンダー・グリヒトリーク氏による、『 Köthener Trauermusik  BWV 244a 〜レオポルト侯のための葬送音楽 』の復元版。


こういったCD、一曲目がイマイチだと聴く気が起こらないけれど、これはいい。
もう一気に、合唱「Klagt, Kinder, klagt es aller Welt 〜嘆け、子らよ、全世界に向って嘆け」から、心震わせる音楽に引き込まれる。
” Klagt, Kinder, klagt es aller Welt "と歌われるたびに、鳥肌が立つような感動を覚える。言葉では表しにくいけれど、なにか不思議な力の宿る、素晴らしい音楽が展開されてゆく。

バッハが慕い、最大の理解者であった、領主アンハルト=ケーテン侯レオポルトに捧げた葬送音楽。楽譜が消失しているこの作品。『 Matthäus-Passion BWV244 〜マタイ受難曲 』から転用した音楽で復元されたと云うことだ。

大雑把に云うと、”国民の哀悼”、”魂の救い”、”輝かしき功績”、”永遠の休息と別れ” みたいな流れで進んでゆく。
葬送音楽だから悲しい音楽だとは思うけれど、光に満ちた心地よい安らぎが溢れ、その透明な響きは甘く美しい。曲が同じ、マタイ受難曲とは違って神聖な感じはないけれど、それがかえっていい。

もしかすると、アレクサンダー・グリヒトリーク氏が率いる、優しくて、心地よさを感じる、みずみずしい演奏は、このCDの一番の 魅力かもしれない。


Leopold von Anhalt-Köthen (1694-1728)


Gudrun Sidonie Otto

David Erler

Hans Jorg Mammel

Daniel Ochoa

Alexander Grychtolik


2015年11月22日日曜日

Stefan Temmingh, Dorothee Mields『Birds』

Stefan Temmingh, Dorothee Mields
シュテファン・テミング、ドロテー・ミールズ
Birds
~バロック時代の鳥の標題音楽


Jean-Philippe Rameau (1683-1764)
ジャン=フィリップ・ラモー
Nouvelles Suites De Pieces De Clavecin
新クラヴサン組曲集第2番
01、V. La Poule
    雌鶏

George Frideric Handel (1685-1759)
ゲオルク・フリードリヒ・ヘンデル
Rinaldo, Hwv 7
歌劇『リナルド』
02、Augelletti Che Cantate (Adagio)
    さえずる小鳥達よ

作者不詳
03、This Merry Peasant Spring

Pietro Torri (CA. 1650-1737)
ピエトロ・トッリ
Ismene
歌劇『イスメーネ』
04、Son Rosignolo
  息子ナイチンゲールよ

Giuseppe Fedeli (CA. 1680-1733)
ジュセッペ・フェデリ
The Temple Of Love: Warbling The Birds Enjoying
  愛の寺院~楽しむ鳥のさえずり
05、Largo -Adagio -Largo -Allegro -
     Vivace -Adagio -Allegro -Slow

Thomas Augustine Arne (1710 – 1778)
トマス・オーガスティン・アーン
As You Like It
喜劇『お気に召すまま』
06、The Cuckoo (When daisies pied)
    カッコウ (まだらのヒナギクが)

Alessandro Poglietti (Early17th-1683)
アレッサンドロ・ポリエッティ
Rossignolo
イル・ロシニョーロ
07、Imitatione Del Medesimo Uccello
   夜鳴きうぐいす~鳥の模倣

Antonio Vivaldi (1678-1741)
アントニオ・ヴィヴァルディ
Flute Concerto In D Major, Op. 10 No. 3,"Il Gardellino"  Rv 428
フルート協奏曲 ニ長調 Op.10 - 『ごしきひわ』
08、I. Allegro
09、II. Cantabile
10、III. Allegro
   
作者不詳
Melismata
メリスマータ
11、The Three Ravens
    3羽のカラス

Michel Pignolet de Monteclair (1667-1737)
ミシェル・ピニョレ・ド・モンテクレール
Concerts Pour La Flute Traversiere Avec La Basse Chiffree: Les Tourterelles
   フリュート・トラヴェルシエールと通奏低音のためのコンセール
12、Tendrement

Reinhard Keiser (1674-1739)
ラインハルト・カイザー
Ulysses
ユリシーズ
13、Du Angenehme Nachtigall
    快いナイチンゲール

Francois Couperin (1668-1733)
フランソワ・クープラン
 Pieces De Clavecin II
クラヴサン曲集第2巻
14、Le Gazoüillement
     さえずり

MR.Quignard  (18th Century)
キニャール
Printemps
  春
15、tendrement
   恋するうぐいす

Louis-Claude Daquin (1694-1772)
ルイ=クロード・ダカン
Premier livre de pieces de clavecin, Suite No. 1
クラヴサン曲集 第1巻
16、Le Coucou  -rondeau
    かっこう

George Frideric Handel (1685-1759)
ゲオルク・フリードリヒ・ヘンデル
L’Allegro, Il Penseroso Ed Il Moderato, Hwv 55
オラトリオ『快活の人、沈思の人、温和の人』
Sweet Bird
甘き鳥
17、andante
    
John Bartlett (16th & 17th Century)
ジョン・バートレット
A Book Of Ayres (1606)
Sweet Birdes Deprive Us Never
優しい鳥達よ、奪わないで欲しい
18、PartI
19、PartII
20、PartIII



演奏
Stefan Temmingh (リコーダー)
シュテファン・テミング
Dorothee Mields (ソプラノ)
ドロテー・ミールズ


The Gentleman's Band(古楽合奏団)
ザ・ジェントルマンズ・バンド

Saskia Fikentscher(リコーダー)
サスキア・フィケンチャー
Wiebke Weidanz(ハープシコード、リコーダー)
ヴィプケ・ヴァイダンツ
Elisabeth Seitz(プサルタリー)
エリーザベト・ザイツ
Johanna Seitz(ハープ)
ヨハンナ・ザイツ
Axel Wolf (リュート、テオルボ)
アクセル・ヴォルフ
Domen Marincič (ヴィオラ・ダ・ガンバ)
ドーメン・マリンチッチ


La Folia Baroque Orchestra(古楽合奏団)
ラ・フォリア・バロックオーケストラ


演奏時間
72:30


録音
Himmelfahrtskirche, Munchen-Sendling, Germany
昇天教会 、ミュンヘン=ゼンドリング (ドイツ)
2015年2月24 -27日


DHM Deutsche Harmonia Mundi   88875141202
2015年11月13日

バロック時代の鳥の標題音楽集。
世界的に注目されるリコーダー奏者シュテファン・テミング氏と、ソプラノ歌手ドロテー・ミールズ氏の共演。


鳥の声を音楽で表現した作品を集めたもの。ナイチンゲールとかカッコウの鳴き声なんかをモチーフにして、美しい愛や春の訪れと裏切りなんかを象徴してゆく。
リコーダーを中心とした楽器や歌声で模倣された、甘美な響きが心地いい。

 ” これは違うな、すごいな  " と感じたのは、シュテファン・テミング氏の演奏するリコーダーの踊る音色。聴いていると本当に楽しくなってくる。もちろん、技術の優劣のことだけじゃあない。聴き手を高揚させる気持ちのこもった演奏ということ。ツマラナイから ” 先送りして次の曲へ " なんてことは、けっしてない。

ドロテー・ミールズ氏の歌唱がこれまたいい。その歌声は透き通るように美しいし、時には、茶目っ気たっぷりに歌う。絶妙なリコーダーとのかけ合いなんかも素晴らしい。

特に、楽しげな言葉遊びで皮肉を隠した、トマス・オーガスティン・アーン作「 The Cuckoo ( When daisies pied )〜カッコウ(まだらのヒナギクが)」なんかがそうだけど、堅苦しいクラシック音楽じゃあなくて、創造力に富んだ、きれいで愉快な曲たちを収めた音楽集なのが気に入った。聴いていると、思わず、心がほのぼのとしてくる。


Cara Dillon『Hill of Thieves』

Cara Dillon
カーラ・ディロン
Hill of Thieves


作詞、作曲:Cara Dillon、Sam Lakeman
編曲:Cara Dillon、Sam Lakeman
01、The Hill of Thieves

作詞、作曲:Traditional
編曲:Cara Dillon、Sam Lakeman
02、Johnny, Lovely Johnny

作詞、作曲:Traditional
編曲:Cara Dillon、Sam Lakeman
03、The Parting Glass

作詞、作曲:Traditional
編曲:Cara Dillon、Sam Lakeman
04、Spencer the Rover

作詞、作曲:Traditional
編曲:Cara Dillon、Sam Lakeman
05、False, False

作詞、作曲:Traditional
編曲:Cara Dillon、Sam Lakeman
06、Jimmy Mó Mhíle Stór

作詞、作曲:Traditional
編曲:Cara Dillon、Sam Lakeman
07、She Moved Through the Fair

作詞、作曲:Traditional、Cara Dillon 、Sam Lakeman
編曲:Cara Dillon、Sam Lakeman
08、P Stands for Paddy (Lament for Johnny)

作詞、作曲:Traditional
編曲:Cara Dillon、Sam Lakeman
09、The Verdant Braes of Skreen

作詞、作曲:Traditional
編曲:Cara Dillon、Sam Lakeman
10、The Lass of Glenshee

作詞、作曲:Traditional
編曲:Cara Dillon、Sam Lakeman
11、Fil, Fil a Run Ó




演奏
Cara Dillon(ヴォーカル、ホイッスル)
カーラ・ディロン
Sam Lakeman (ギター、ピアノ、バウロン、パーカッション)
サム・レイクマン
James O'Grady (イーリアン・パイプス、ロー・ホイッスル)
ジェームス・オグラディ
Ben Nicholls (ダブルベース)
ベン・ニコルズ
Zoe Conway(フィドル)
ゾーイ・コンウェイ
Eamon Murray (バウロン)
イーモン・マレー
Brian Finnegan (ホイッスル)
ブライアン・フィネガン
Seth Lakeman (ヴォーカル、テナーギター、フィドル)
セス・レイクマン 
John Smith (ギター、マンドラ)
ジョン・スミス
Sean Lakeman (ギター)
シーン・レイクマン
James Fagan (ブズーキ、ギター)
ジェームス・ファーガン
Ed Boyd (ギター)
エド・ボイド


プロデューサー:Sam Lakeman
        サム・レイクマン



演奏時間
45:06


録音
AT HOME IN SOMERSET
サマセットの自宅 (イングランド)


Charcoal Records ‎  CHARCD002
2009年1月26日

心に浮かぶ、緑に包まれたアイルランドの牧歌的風景。音楽の美しさを純粋に極めた、北アイルランド出身のフォーク歌手カーラ・ディロン氏の4作目。


『 Cara Dillon 』(2001年)、『 Sweet Liberty 』(2003年)しか持っていないので、海外のファンがオススメのアルバム『 Hill of Thieves 』を聴いてみることにした。
デジタル時代だけど、直接、イギリスのお店から購入しようと云うことで、注文から2週間ほどで到着。


まず、このCD。ジャケットがいい。この写真、一緒に音楽活動をする相棒であり旦那さんでもあるサム・レイクマン氏の手によるもの。ほのぼのとした愛情溢れる雰囲気。もうそれだけで十分満足。

カーラ・ディロン氏の故郷、北アイルランドのダンギブン(Dungiven)周辺に広がる、さまざまな物語が古くから伝わるベンブラダ山(Benbradagh mountain)のことを歌うオリジナル曲、「 Hill of Thieves」から始まる。

この曲、シンプルで力強いメロディーが、とにかく美しい。買って良かったと心底思える。
” この土地にかえっておいで ” みたいに語りかける歌は、どこか懐かしく心に響く。ベンブラダ山なんて行ったことがないけれど、目の前に、鮮やかな景色が浮かんでくる。透明感溢れる故郷の歌は、疲れを心地よく癒してゆく。

アレンジされた伝承曲も、素晴らしく楽しい。
ホイッスルやイーリアンパイプスと云った楽器で奏でる、アイルランド丸出しのイキイキとした音楽は、心から晴れ晴れとした気分にしてくれる。

安らぎに満ちた歌声。人なつっこい表情をたたえた上質な演奏。広がる音楽の喜び。その素朴で美しい響きは、人種なんて関係なく、甘く魅了し続けるのかもしれない。